この記事は「複数の代行サービスから見積もりを取ったけれど、金額の意味が違いすぎて比べられない」人のために書きました
会社設立の代行を検討して見積もりを3社から取ると、たいてい困ったことになります。A社は8,000円、B社は88,000円、C社は「0円」。この3つを並べても、どれが安いのかまるで分かりません。金額に含まれているものが違うからです。
実費が入っているかどうか、電子定款の費用が別か、登記申請の代理まで含むか、設立後の顧問契約が前提か。この4点がそろって初めて、見積もりは比較できる形になります。逆に言えば、この4点を聞き出せれば、会社設立のおすすめは自分で判断できます。
この記事では、見積もりを取るときに聞くべき6つの質問と、返ってきた答えをどう並べるかを整理しました。おすすめのサービスを先に挙げるのではなく、自分でおすすめを判断できる形をお渡しします。おすすめのサービスを名指しするより、自分で比較できるようになるほうが早いと考えています。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
見積もりが比べられないのは、含まれるものが違うからです

会社設立のおすすめを比べようとして見積もりを取ると、次の要素が入ったり入らなかったりします。どれが入っているかを確かめないまま金額だけを並べると、比較になりません。
「8,000円」という見積もりは代行の報酬だけ、「175,360円」という見積もりは実費込み、「0円」は顧問契約が前提。この3つを同じ列に並べても意味がありません。まず全部を実費込みの総額に直してください。それが会社設立の比較の第一歩です。

出典日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」
見積もりを取るときに聞く6つの質問

ここが本題です。会社設立の代行に見積もりを依頼するとき、次の6つを一緒に聞いてください。答えがそろえば、どのサービスも同じ土俵に載ります。
そのまま送れる6つの質問
- この金額に、登録免許税と定款認証の手数料は含まれていますか。含まれていない場合、実費込みの総額はいくらになりますか。
- 電子定款で作成していただけますか。その費用は見積もりに含まれていますか。
- 法務局への登記申請は、そちらで代理していただけますか。それとも自分で提出しますか。
- この金額になるための条件はありますか(会計ソフトの契約、設立後の顧問契約など)。条件を満たさない場合はいくらになりますか。
- 書類がそろってから登記の申請までは、何日くらいかかりますか。
- 設立後の税務署・年金事務所への届出は、範囲に含まれますか。含まれない場合、別料金でお願いできますか。
この6つで何が分かるか
- 1と2で、金額を同じ土俵に載せられます。
- 3で、そのサービスがどの型(書類作成型・認証代行型・登記代理型)かが分かります。
- 4で、0円の裏側にある条件が分かります。
- 5で、設立日の逆算ができます。
- 6で、登記のあとに自分に残る作業が分かります。
6つとも具体的に答えてくれるところは、会社設立の進行中も同じ調子で答えてくれます。おすすめできるかどうかは、この返信の質でかなり見えてきます。逆に「詳しくはご相談で」としか返ってこないところは、比較の対象から外して構いません。見積もりの返信は、そのサービスの仕事ぶりの見本です。
出典消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
返ってきた答えを1枚の表に並べる

答えが返ってきたら、次の4列で表にします。この形にそろえるだけで、会社設立のおすすめはほぼ見えてきます。
| サービス | 実費込みの総額 | 登記の代理 | 条件 | 日数 |
|---|---|---|---|---|
| A社(書類作成型) | 例:17.3万円 | 自分で提出 | なし | 2週間 |
| B社(登記代理型) | 例:25.5万円 | 代理あり | なし | 10日前後 |
| C社(税理士法人) | 例:16.7万円+顧問料 | 代理あり(提携) | 顧問契約 | 最短1日 |
こう並べると、単純な安さではなく「何にいくら払うのか」が見えます。B社が8万円高いのは登記の代理が含まれているから。C社の総額が低いのは顧問料が別に乗るから。これで初めて比較といえます。
| サービス | 代行手数料 | 対応範囲 | 利用条件 | 登記までの日数 |
|---|---|---|---|---|
| 会社法人センター 井坂司法書士事務所&行政書士井坂事務所/司法書士・行政書士 | 8,360円(税込) | 定款作成・認証と設立登記書類の作成代行 | 追加料金や税理士契約は不要と明記 | 2〜6営業日で設立完了 |
| 会社設立サポート事務局 行政書士法人東京総合行政事務所/司法書士・行政書士 | 株式会社48,000円(フルサポート)/35,000円(バリュー)、合同会社45,000円(フルサポート)/35,000円(バリュー) | フルサポートプランは法人開設届と1年間の法務顧問を含む | 税務顧問契約は不要と明記 | 7営業日(フルサポート)/3営業日で書類納品(バリュー) |
| 税理士法人経営サポートプラスアルファ 経営サポートプラスアルファ/税理士法人 | 代行費用 実質0円(設立後の顧問契約が前提。顧問料 月額22,000円) | 設立手続きから設立後の税務顧問まで | 設立後の顧問契約が前提 | 最短1日、通常は1週間程度 |
| ベンチャーサポート税理士法人 ベンチャーサポートグループ/税理士法人 | 設立後の税理士顧問契約(月額3万円前後)とセットなら、行政書士・司法書士の手続き代行手数料は0円 | 設立手続き、設立後の税務顧問、社会保険・労務顧問、融資、補助金、経営相談。グループに税理士法人・社会保険労務士法人・司法書士法人 | 手数料0円は設立後の顧問契約とセットの場合。設立のみの依頼可否は公式サイトに記載なし | 登記申請まで5営業日ほど |
| 会社設立完全代行ネットテラス 司法書士・行政書士みなづき法務事務所/司法書士・行政書士 | 株式会社38,000円/合同会社35,000円 | 会社設立登記まで。設立後の税務は公式サイトに記載なし | 税理士のような強制顧問はないと明記 | 公式サイトに記載なし |
| freee会社設立 freee株式会社/クラウドツール | 利用料金0円 | 設立書類の作成と、設立後の会計ソフト連携 | 電子定款費用の負担を受けるにはfreee会計の年間契約が必要 | 株式会社は約2週間、合同会社は1〜2週間程度 |
見積もりの内訳を一度そろえて確かめたい方は、無料の相談から始めてみてください。
無料で相談してみる※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
「0円」の見積もりをどう扱うか

0円の見積もりは、それ自体が悪いわけではありません。実際、条件に合う人にとってはおすすめできる形です。ただし0円にできる理由があります。理由を確かめてから判断してください。
どれも仕組みとしては真っ当です。問題になるのは、原資となる契約を続けるつもりがないのに0円のサービスを選んでしまうときです。会計ソフトを使わないのにソフトの年間契約を条件に電子定款を無料にしてもらう、設立後すぐに解約するつもりで顧問契約を結ぶ。どちらも、あとで割高になります。
0円のサービスで確かめること
- 条件になっている契約の金額と期間
- 途中で解約した場合の扱い(違約金の有無)
- 条件を満たさなかった場合の設立費用
- その契約を、自分は本当に続ける気があるか
出典国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」
マッチングサービスを使うという手もあります

見積もりを1社ずつ取るのが面倒なら、専門家を紹介するマッチングサービスを使う手もおすすめです。条件を入力すると複数の専門家から見積もりが届く仕組みです。
| サービス | 代行手数料 | 株式会社の総額 | 合同会社の総額 | 利用条件 |
|---|---|---|---|---|
| 比較ビズ 株式会社ワンズマインド/マッチング | 発注者側の利用料0円 | 費用は依頼先次第(公式サイトに総額の記載なし) | 費用は依頼先次第(公式サイトに総額の記載なし) | 発注者は無料。運営21年、発注利用者数18万社超と記載 |
| 税理士ドットコム 弁護士ドットコム株式会社/マッチング | 税理士紹介サービスは完全無料 | 紹介先の税理士による | 紹介先の税理士による | 費用は紹介先の税理士次第。登録税理士数7,533人(2026年8月21日時点) |
| ミツモア 株式会社ミツモア/マッチング | 見積もり無料 | 約25万円(実費込みの相場としてページに記載) | 約6〜10万円(実費込みの相場としてページに記載) | 最大5名の専門家から見積もりを受け取る仕組み。費用は各専門家の見積もり次第 |
利用者側は無料で、比較の手間が減るのが利点です。一方で、届いた見積もりを比べる目は自分に必要という点は変わりません。この記事の6つの質問は、マッチング経由で届いた見積もりにもそのまま使えます。
マッチングサービスに登録すると、複数の事務所から連絡が来ます。連絡手段や時間帯の希望があれば、最初に伝えておくとやりとりが楽になります。
見積もりのあとに増えやすい費用

見積もりどおりに終わらないことがあります。よくあるのは次の4つです。会社設立の比較をするときに、あらかじめ頭に入れておいてください。
あとから増えやすいもの
- 登記事項証明書と印鑑証明書の追加取得。法人口座の開設や許認可の申請で複数必要になります。
- 会社印鑑の作成費用。代表者印・銀行印・角印の3本セットで1万円前後から。
- 事業目的の追加による変更登記。登録免許税と司法書士報酬がかかります。
- 本店移転による変更登記。管轄が変わると費用も上がります。
このうち3つ目と4つ目は、会社設立のときに少し考えておけば避けられます。見積もりの段階で相談しておくのがおすすめです。事業目的は当面やる予定のあるものまで書いておく。本店所在地は当面動かさない場所にする。この2つを最初に決めておくと、あとの出費が減ります。

出典法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」
よくある質問

相見積もりを取るのは失礼になりませんか
なりません。会社設立の代行は事業者向けのサービスで、比較検討されることは前提です。むしろ「他社さんとも比べています」と伝えたほうが、条件を明確に示してもらえることが多いでしょう。3社程度が現実的な数です。
見積もりを取ったあとに断ることはできますか
見積もりの段階なら問題ありません。契約前に断ることに費用は発生しないのが通常です。ただし、着手後のキャンセルは扱いが変わることがあるので、契約前に「着手後に取りやめた場合はどうなりますか」と確認しておくと安心です。
値引き交渉はできますか
定価を掲げているサービスでは難しいことが多いです。ただ、範囲を減らして安くする交渉なら通ることがあります。たとえば「登記の代理は要らないので、定款の作成と認証だけお願いしたい」といった相談です。会社設立のおすすめを費用で選ぶなら、値引きより範囲の調整のほうが現実的でしょう。
いちばん安いところを選べばよいですか
範囲と条件がそろっているなら、安いところを選んで問題ありません。ただし範囲が違うなら、安さは比較の材料になりません。この記事の6つの質問で条件をそろえてから、あらためて金額を見てください。
まとめ|比べられる形にそろえてから選ぶ

会社設立のおすすめを決めるための見積もりは、そのままでは比較できません。実費込みの総額に直し、範囲と条件と日数をそろえて、はじめて並べられる形になります。
この記事で押さえたこと
- ✓見積もりの金額に、登録免許税と定款認証の手数料が入っているかを事前に確認する。
- ✓6つの質問(総額・電子定款・登記の代理・条件・日数・設立後の届出)を送る。
- ✓0円の原資が会計ソフトの契約か顧問契約かを見極める。
- ✓謄本・印鑑・変更登記など、あとから増える費用を見込んでおく。
- ✓範囲がそろっていないなら、安さは比較の材料にならない。
金額と条件は2026年8月時点で確認できたものです。制度も料金も変わりますので、実際の依頼の前に公式サイトで最新の表示をご確認ください。判断に迷うところは、司法書士・行政書士・税理士や所管の官庁にご相談ください。
6つの質問を紙に書いて、そのまま聞いてください
見積もりを取るときは、この記事の6つの質問をそのままメールに貼り付けてしまって構いません。丁寧に答えてくれるところは、その後のやりとりも丁寧です。答えが曖昧なところは、会社設立の途中でも同じように曖昧なままになりがちです。見積もりのやりとりは、相手を見るための機会でもあります。
金額をそろえて比較したうえで、いちばん安いところを選ばなくても構いません。連絡が取りやすい、質問に具体的に答えてくれる、そういう理由で数万円高いところを選ぶのも十分に合理的です。会社設立は書類仕事であると同時に、人とのやりとりでもあります。
見積もりの比較で迷ったら、この記事の表に自分で数字を書き込んでみてください。並べてしまえば、おすすめは自然に決まります。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
- LISKUL|会社設立代行サービスおすすめ17選を比較
比較表つきで代行サービスを並べた記事です。
liskul.com - BOATER|会社設立代行サービス比較12選
依頼できる範囲と料金相場を軸にした代行サービスの比較です。
boater.jp - 会社設立の代行してもらう場合依頼先はどこがいい?
代行の依頼先と費用感をまとめた記事です。
kaisha-setsuritsu.co.jp - 小谷野税理士法人|会社設立の代行費用の比較
代行費用を比較し、格安サービスを紹介しています。
koyano-cpa.gr.jp - マルナゲカンリ|会社設立を丸投げしたときの料金相場と代行5選
まるごと任せる前提での料金相場と代行先の比較です。
marunagekanri.com - 会社法人センター|手数料0円業者の実態
0円をうたう業者の条件面を検証した記事です。
kaisha-kakuyasu.com - freee|会社設立の基礎知識
会社設立まわりの基礎知識をまとめた記事一覧です。
freee.co.jp - ベンチャーサポート|会社設立の手続き代行はどこに依頼する?
依頼先ごとの費用とサービスを比較した記事です。
vs-group.jp - 法人設立.jp|自分でできる登記申請の流れと必要書類
自分で登記申請をする場合の流れと必要書類をまとめています。
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