この記事は「会社設立と同時に融資を受けたいが、何から始めればいいか分からない」人に向けたものです
会社設立には実費がかかりますし、事業を始めれば運転資金も必要です。自己資金だけで足りないなら、創業融資を検討することになります。
創業期の資金調達でよく使われるのが、日本政策金融公庫の制度です。新規開業・スタートアップ支援資金は、融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方と案内されています。
この記事では、この制度の概要と、会社設立との順番、準備するものを整理します。融資は準備の質で結果が変わるので、早めに動くことをおすすめします。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
新規開業・スタートアップ支援資金とは

日本政策金融公庫は、政府が全額出資する金融機関です。創業期の事業者への融資も扱っています。
公式サイトによると、新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方とされています。
ただし、これは上限です。誰でもこの金額を借りられるわけではありません。事業計画と自己資金の状況、経験などをもとに判断されます。
創業融資を検討する場面
- 会社設立の実費と、当面の運転資金を自己資金だけでまかなえない
- 設備投資が必要で、まとまった資金が要る
- 売上が立つまでの期間が長く、その間の資金が必要
- 手元の資金を残しておきたい(全部を事業に投じたくない)
融資には利息がかかります。借りた金額に対して、返済期間にわたって利息を払うことになります。したがって、必要のない額まで借りる意味はありません。一方で、少なすぎて途中で資金が尽きると、事業そのものが続きません。この兼ね合いを、事業計画の数字で判断することになります。
4つ目も大事な観点です。自己資金があっても、全部を事業に投じてしまうと、想定外のことが起きたときに動けなくなります。借りられるうちに借りておくという考え方もあります。

自己資金と借入を比較すると、自己資金が多いほど審査では有利になるとされています。ただし、全部を自己資金でまかなうと手元が薄くなります。おすすめのバランスは、窓口で相談しながら決めることです。
会社設立のおすすめの進め方としては、資金計画を立てる段階で融資の可能性も検討することです。あとから必要になってから動くより、選択肢が広がります。
会社設立と融資、どちらが先か

よくある疑問が、会社設立と融資の申し込みのどちらを先にするかです。
相談そのものは、会社設立の前でもできます。むしろ、資本金をいくらにするかを決める前に相談したほうが、話が噛み合いやすいところです。
つまり、相談は設立前、正式な申し込みは設立後という流れが現実的です。会社設立の準備と並行して動くことになります。
なお、個人事業主として申し込む道もあります。すでに個人で事業をしていて、法人化を考えている場合は、どちらの形で申し込むかを相談してみてください。
申し込みから融資の実行までには、審査と面談の期間があります。申し込んだ翌日に入金されるわけではありません。会社設立の日程と、資金が必要になる時期を並べて、逆算して動いてください。
市区町村の創業支援窓口や商工会議所でも、融資の相談に乗ってもらえることがあります。制度融資という、自治体と金融機関と信用保証協会が連携する仕組みもあります。あわせて調べてみてください。

この表を比較して分かるのは、返済が必要かどうかで大きく2つに分かれるということです。おすすめの考え方としては、会社設立の直後に確実に手元に入るお金として融資を考え、補助金は使えたら助かるものと位置づけることです。
会社設立のおすすめの段取りとしては、設立を決めた時点で公庫と市区町村の両方に相談することです。どちらも無料で話を聞けます。
自己資金が見られます

創業融資の審査で重く見られるのが自己資金です。事業への本気度と、計画性を示す材料になるためです。
ここで注意したいのが、自己資金として認められるのは通帳などで確認できるものに限られるという点です。一時的に借りたお金や、記録のない手元の現金は、自己資金として見てもらえないことがあると解説されています。
自己資金について押さえること
- 通帳の記録で確認できることが前提
- コツコツ貯めてきた記録があると説明しやすい
- 急に大きな金額が入っていると、出どころを確認されることがある
- 見せ金(一時的に借りて入れたお金)は認められない
- 会社設立の資本金として入れた分も、自己資金の一部として見られる
3つ目は実務でよく問題になります。融資の直前に大きな入金があると、それが本当に自分の資金かを確認されます。親族からの贈与なら、その旨を説明できるようにしておいてください。
なお、自己資金がまったくない状態での申し込みは、一般に厳しいとされています。事業への準備の度合いを示すものがないためです。会社設立を数か月先に予定しているなら、その間に積み立てを始めるという選択もあります。
逆に言えば、会社設立を考え始めた時点から資金の動かし方に気を配っておけば、この点で困ることはありません。毎月一定額を積み立てている記録があるのが、いちばん説明しやすい形です。
自己資金の作り方を比較すると、時間をかけて貯めたものと、急に用意したものでは説明のしやすさが違います。おすすめは、会社設立を考え始めたら専用の口座を作って、そこに積み立てていくことです。記録がそのまま説明の材料になります。
自己資金の目安については、制度や状況によって異なります。公式サイトや窓口で最新の条件を確認してください。会社設立のおすすめとしては、早い段階で相談して目安を聞いておくことです。
資金計画について相談したい方は、無料の相談から始めてみてください。
無料で相談してみる※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
事業計画書を作る

融資の申し込みには、事業計画書(創業計画書)が必要になります。日本政策金融公庫の公式サイトから、各種の様式をダウンロードできます。
事業計画書は、事業の中身と、お金の見通しを説明する書類です。何をする事業か、誰に売るのか、いくらかかっていくら入るのか。これを筋道立てて書きます。

このうち、経営者の経歴と、事業の見通しがとくに見られます。その事業の経験があるかどうか、そして返済できる見通しがあるかどうかです。
経費の見込みも、根拠のある数字にしてください。家賃、通信費、仕入れ、役員報酬、社会保険料。会社設立の準備で調べた金額をそのまま使えます。売上だけが立派で経費が過少な計画は、かえって信用されません。
数字は、根拠を示せる形で書いてください。「月に100万円売れます」ではなく、「1件◯円の案件を月◯件」という積み上げのほうが説得力があります。会社設立の準備で考えた計画が、そのまま材料になります。
自分で書く場合と専門家に手伝ってもらう場合を比較すると、内容の説得力に差が出ることがあります。ただし、自分の言葉で説明できることのほうが大事です。おすすめは、自分で書いてから専門家に見てもらう形です。
書き方に迷ったら、税理士や行政書士、商工会議所に相談してください。創業融資の支援を扱っている専門家も多くいます。
特定創業支援等事業との組み合わせ

市区町村が実施する特定創業支援等事業を受けると、会社設立の費用が下がるだけでなく、融資の面でも効果があります。
中小企業庁の資料によると、特定創業支援等事業を受けた方は、登録免許税の軽減措置に加えて、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で利率の特例が適用されることがあるとされています。
また、信用保証協会の創業関連保証について、事業開始6か月前(通常は2か月前)から利用できるようになるとも案内されています。早い段階から資金調達の準備ができるということです。
特定創業支援等事業を受けると
- 会社設立の登録免許税が半額になる(株式会社は最低7.5万円、合同会社は最低3万円)
- 日本政策金融公庫の融資で利率の特例が適用されることがある
- 信用保証協会の創業関連保証を、事業開始6か月前から利用できる
- 創業に必要な知識を体系的に学べる
受けるには、市区町村が実施する創業塾や個別相談を複数回受ける必要があります。証明書が出るまでに時間がかかるので、会社設立を思い立った時点で問い合わせてください。
中小企業庁によると、令和8年6月25日現在で1,414件(1,580市区町村)の創業支援等事業計画が認定されています。本店を置く予定の市区町村が対象かどうかを確認してみてください。
会社設立のおすすめの順番としては、依頼先を探すより先にこの制度を調べることです。費用と資金調達の両方に効きます。
融資を受けたあとにやること

融資を受けたら、当然ですが返済が始まります。会社設立の直後に返済が乗るので、資金繰りの管理が重要になります。
返済用の口座を指定することになるので、法人口座の開設は融資の前後で必要になります。会社設立の直後に口座を開いておくと、手続きがスムーズです。
また、融資を受けた資金は、申請した用途に使うことになります。設備資金として借りたお金を運転資金に回す、といったことは想定されていません。用途ごとに管理しておいてください。
会計ソフトを使っていれば、借入金の残高と返済の記録も管理できます。会社設立の直後にソフトを立ち上げておけば、この管理も一緒にできます。
将来的に追加の融資を受けたい場合、返済の実績が判断材料になります。きちんと返している会社は、次の融資も相談しやすくなります。
決算書も見られます。会社設立から1期分の決算ができれば、その数字が判断材料になります。日ごろの記帳をきちんとしておくことが、資金調達の準備にもなるということです。
よくある質問

会社設立の前でも相談できますか
できます。むしろ、資本金の額を決める前に相談したほうが話が噛み合います。正式な申し込みは会社設立の後になることが多いですが、相談は早いほうがよいところです。
いくらまで借りられますか
公式サイトによると、新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)とされています。ただし、これは上限です。実際の金額は事業計画と自己資金の状況で決まります。
断られたらどうしますか
理由を聞ける範囲で聞き、事業計画や自己資金の状況を整えてから再度相談することになります。市区町村の制度融資や、信用保証協会の保証を使う道もあります。ひとつの窓口で終わりにしないでください。
融資と補助金はどちらを先に考えますか
性質が違います。融資は借りるお金で返済が必要、補助金は要件を満たせば返済不要ですが、多くは後払いです。会社設立の直後に必要な資金は、まず融資で考えるのが現実的です。補助金は、使えるものがあれば併用する形になります。
出典中小企業庁「ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト」
まとめ|早く相談して、記録を整えておく

創業融資は、事業計画と自己資金の状況で判断されます。会社設立を考え始めた時点で準備を始めるのが、いちばん確実です。
この記事で押さえたこと
- 新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)。
- 対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方。
- 相談は会社設立の前でもできる。資本金を決める前がよい。
- 自己資金は、通帳などで確認できるものに限られる。記録を整えておく。
- 特定創業支援等事業を受けると、登録免許税の軽減と融資の利率の特例がある。
制度の内容と金額は2026年8月時点で確認できたものです。制度は変わりますので、実際の申し込みの前に日本政策金融公庫と中小企業庁の案内をご確認ください。個別の判断は、窓口や専門家にご相談ください。
準備の質で結果が変わります。早めに動いてください
創業融資は、事業計画と自己資金の状況で判断されます。直前に慌てて準備しても、良い結果にはなりにくいところです。会社設立を考え始めた時点で、資金の記録を整えておいてください。
相談は無料です。日本政策金融公庫の窓口でも、市区町村の創業支援窓口でも、まず話を聞くことから始められます。制度の内容は変わりますので、最新の条件は公式サイトでご確認ください。
補助金や助成金については、同じカテゴリーの別の記事で扱っています。融資とは性質が違うので、あわせてご覧ください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
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