この記事は「月額500円のバーチャルオフィスを見つけたが、本当にこの金額で済むのか」と思っている人に向けたものです
バーチャルオフィスの料金を調べると、月額数百円からという表示が並びます。オフィスを借りることを考えれば、たしかに破格です。ところが、その金額で会社設立に必要な機能が全部使えるとは限りません。
住所を使うだけのプラン、法人登記に使えるプラン、郵便を転送してくれるプラン。機能ごとにプランが分かれていて、必要なものを足していくと金額が変わります。基本料金が月額500円でも、登記と郵便転送を足すと数千円になることがあると解説されています。
この記事では、会社設立で使うときに必要になる機能を整理し、総額で比較する方法をまとめます。安さに惹かれて契約したあとで、必要な機能が別料金だと気づくことのないように。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
プランは機能ごとに分かれています

バーチャルオフィスのプランは、たいてい機能ごとに分かれています。安いプランは、使える機能が限られています。
会社設立で本店として使うなら、最低でも「法人登記あり」のプランが必要です。住所利用のみのプランでは登記できないことがあるので、契約の前に事前に確認してください。
そして、郵便転送も実質的に必須です。会社設立をすると、税務署、年金事務所、法務局、金融機関から書類が届きます。これを受け取れないと、期限のある手続きに間に合わなくなります。
電話番号のオプションについても触れておきます。固定電話の番号があると、名刺や請求書に記載できます。携帯電話の番号しかないことを気にする取引先もあるので、業種によっては検討の価値があります。ただし、これは会社設立に必須のものではありません。必要になってから足せば十分です。
つまり、会社設立で使う場合の最低ラインは「法人登記+郵便転送」です。この2つを含めた金額で比較してください。基本料金の安さだけを見ると、実際に払う金額とずれます。
料金表を見るときの注意点として、プランの名前は各社ばらばらです。「エコノミー」「スタンダード」「ビジネス」といった名前だけでは、何ができるか分かりません。名前ではなく、機能の一覧で判断してください。会社設立で必要な機能が含まれているかどうかが、唯一の基準です。
おすすめの比較のしかたは、各社の料金表を開いて、この2つが含まれるプランの月額を書き出すことです。それだけで、同じ土俵に載ります。
出典法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」
総額に直して比べる

月額がそろったら、次は初期費用と年額です。バーチャルオフィスには入会金や保証金がかかることがあります。
総額に含めるもの
- 入会金・事務手数料(初回のみ)
- 保証金・デポジット(解約時に返ってくるかも確認)
- 月額料金(法人登記と郵便転送を含むプラン)
- 郵便転送の実費(送料が別途かかることがあります)
- 年払いにした場合の割引
保証金についても、返ってくるのか返ってこないのかを確認してください。解約時に返金される預り金の形もあれば、返らない事務手数料の形もあります。金額はそれほど大きくないことが多いですが、条件は知っておきたいところです。
4つ目を見落としがちです。転送の基本料金が含まれていても、実際の送料が別途かかる形になっていることがあります。会社設立の直後は届く書類が多いので、この実費も積み重なります。

おすすめの計算のしかたは、表計算ソフトに各社の項目を並べることです。入会金、月額、実費、合計。3社ぶん並べれば、どこが安いかは一目で分かります。頭のなかで比較しようとすると、抜けが出ます。
こうして年額に直すと、月額500円と月額3,000円のプランでも、必要な機能をそろえると差が縮まることがあります。基本料金の安さは、比較の入口にすぎません。
ここで計算した総額は、会社設立の初期費用とは別に、毎年かかり続けるお金です。設立の実費が一度きりなのに対して、こちらは固定費です。おすすめの見方としては、年額を事業の利益と並べて、負担として妥当かを確かめることです。
会社設立の費用を抑えたいなら、この総額の比較はこれはやっておいてください。年額で数万円の差になることもあります。
出典国税庁「法人税基本通達 第1節 繰延資産の意義及び範囲等」
郵便転送の条件を細かく見る

料金と並んで大事なのが、郵便転送の条件です。ここは実務に直結するので、細かく確認してください。

3つ目の本人限定受取郵便は、とくに注意が必要です。名宛人本人でないと受け取れない形なので、バーチャルオフィスでは受け取れないことがあります。法人口座の開設に関わる書類がこの形で送られることもあるので、事前に確認しておいてください。
転送の頻度も、会社設立の直後は高めのほうが安心です。税務署や年金事務所からの通知には期限のあるものが含まれます。月1回の転送だと、届くのが3週間後になることがあります。
来店での受取ができるかも見ておいてください。急ぎの書類が届いたときに、自分で取りに行けるなら安心です。ただし、拠点が遠い場合は現実的ではありません。自宅や職場からの距離も、選ぶときの材料になります。
到着の通知があれば、急ぎのものは取りに行くという判断ができます。通知の有無は、料金表には目立つように書かれていないことがあるので、問い合わせて確かめてください。
転送の実費についても確認しておいてください。郵便物の重さや量によって送料が変わるため、月ごとに金額が上下することがあります。おすすめは、平均でいくらくらいになるかを事業者に聞いておくことです。目安が分かれば、予算を組めます。
おすすめの選び方としては、会社設立の直後の1年は頻度の高いプランにして、落ち着いてから見直すという形です。届く書類の量は、設立直後がいちばん多くなります。
契約の条件も確かめる

料金と機能がそろったら、契約の条件を見ます。ここも金額に影響します。
契約で確かめること
- 最低利用期間があるか(半年、1年など)
- 解約の申し出はいつまでにするか(1か月前など)
- 年払いの途中で解約した場合、返金があるか
- 審査があるか、どんな書類が必要か
- プランの変更がいつでもできるか
最低利用期間がある場合、途中でやめても残りの期間分を払うことになります。会社設立の直後は事業の形が変わりやすいので、この条件は確かめておいてください。
また、バーチャルオフィスには審査があるのが一般的です。犯罪収益移転防止法などの観点から、事業の内容や本人確認の書類が求められます。申し込んだらすぐ使えるわけではないので、会社設立の日程を組むときは余裕を見てください。
定款を作る段階で本店の住所が必要になるので、バーチャルオフィスの契約は会社設立の手続きより前に済ませておく必要があります。この順番を間違えると、定款の作り直しになります。
審査に必要な書類も先に確認しておいてください。本人確認書類のほか、事業の内容を説明する資料を求められることがあります。会社設立の前なので、まだ登記事項証明書はありません。何を出せばよいかを事業者に聞いておくと、手続きが止まりません。
おすすめの段取りとしては、会社設立を決めた時点でバーチャルオフィスの申し込みをして、審査が通ってから定款の作成に入ることです。
安さだけで選んだときに起きること

基本料金の安さだけで選ぶと、次のようなことが起こります。
よくあるつまずき
- 契約したプランでは法人登記に使えず、上位プランへの変更が必要になった。
- 郵便転送が別料金で、月額が想定の3倍になった。
- 転送が月1回で、税務署からの通知に気づくのが遅れた。
- 本人限定受取郵便を受け取れず、金融機関の手続きが止まった。
- 最低利用期間があり、事業の方針が変わっても解約できなかった。
いずれも、契約の前に確認すれば防げるものです。会社設立の準備で忙しい時期ですが、ここは10分かけて確かめる価値があります。
運営実績を確かめるおすすめの方法は、公式サイトの会社概要を見ることです。設立年、拠点数、運営会社の情報。これらが明記されていない事業者は、慎重に見たほうがよいでしょう。会社設立の本店は、長く付き合う住所です。
また、事業者の運営実績も見ておいてください。サービスが終了したり、事業者が撤退したりすると、本店移転の登記が必要になります。登録免許税は1箇所につき3万円で、これに司法書士の報酬が加わります。
月額数百円の差より、移転の登記1回のほうが高くつきます。会社設立のおすすめとしては、運営が続きそうな事業者を選ぶことも大事な要素です。

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他の選択肢と費用を比べる

バーチャルオフィスだけを見て決めるのではなく、他の選択肢とも費用を比べておきましょう。

この表を見て分かるのは、選択肢のあいだに大きな段差があることです。バーチャルオフィスとシェアオフィスでは、費用が一桁違うこともあります。おすすめの決め方は、作業する場所が必要かどうかという一点で分けることです。
会社設立の直後で、作業は自宅でする、来客もない。この条件ならバーチャルオフィスがいちばん費用対効果が高い選択肢になります。
一方、作業する場所も必要なら、シェアオフィスやレンタルオフィスのほうが合理的です。住所と作業場所を別々に契約するより、まとめたほうが安いこともあります。
事業が育って人を雇うようになれば、賃貸オフィスが必要になります。その段階で本店を移すことになるので、移転の登記の費用も見込んでおいてください。
なお、シェアオフィスやレンタルオフィスでも、契約の内容によっては登記に使えないことがあります。登記の可否は契約の条件しだいなので、こちらも事前に確認してください。
会社設立のおすすめとしては、当面の必要に合わせて選ぶことです。将来を見越して大きな器を用意する必要はありません。
よくある質問

あとからプランを上げられますか
多くのサービスで可能ですが、条件はサービスによります。住所利用のみのプランで契約してしまうと、法人登記のために上位プランへ変更する必要が出てきます。会社設立で使うなら、最初から登記に使えるプランを選んでください。
バーチャルオフィスの費用は経費にできますか
事業のための支出であれば経費になります。会社設立の前に契約した分については、創立費または開業費として扱える場合があります。領収書は忘れずに保管しておいてください。処理の判断は税理士にご確認ください。
年払いにすると得ですか
割引があるサービスは多いようです。ただし、途中で解約したときの返金の条件を確認してください。会社設立の直後は事業の形が変わりやすいので、初年度は月払いで様子を見るという選択もあります。
複数の会社を同じ住所で登記できますか
サービスの規約によります。可能な場合でも、契約が別々に必要になることが一般的です。なお、同一の本店所在地に同一の商号がある場合は登記できないので、商号の確認も必要です。
まとめ|登記と郵便を含めた総額で比べる

バーチャルオフィスの料金は、必要な機能を含めた総額で比べてください。会社設立で使うなら、法人登記と郵便転送は最低ラインです。
この記事で押さえたこと
- ✓プランは機能ごとに分かれている。住所利用のみでは登記できないことがある。
- ✓会社設立で使う最低ラインは「法人登記+郵便転送」。
- ✓入会金・保証金・転送の実費も含めて、年額に直して比べる。
- ✓本人限定受取郵便を受け取れるかを、契約前に確認する。
- ✓最低利用期間と解約の条件、そして運営の実績も見ておく。
料金と条件は2026年8月時点で確認できたものです。各社の条件は変わりますので、契約の前に公式サイトで最新の表示をご確認ください。登記や税務の判断は、司法書士や税理士にご相談ください。
出典日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」
必要な機能を先に決めてから、総額で比べてください
バーチャルオフィスの料金比較でつまずくのは、基本料金だけを並べてしまうからです。必要な機能を先に決めて、それを含めた総額に直してから比べれば、判断は簡単になります。
会社設立で必要なのは、最低限「法人登記に使えること」と「郵便物を確実に受け取れること」の2つです。この2つを含めた月額で、各社を並べてみてください。
料金以外の点、たとえば許認可や法人口座への影響については、同じカテゴリーの別の記事で扱っています。あわせてご覧ください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
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