この記事は「会社設立が無料と書いてあるけれど、何かからくりがあるのでは」と感じている人に向けたものです
会社設立のおすすめを検索すると、「手数料0円」「無料で設立」という表示にたくさん出会います。うさんくさいと感じるかもしれませんが、多くは仕組みとしてきちんと成り立っている0円です。ただし、成り立たせている理由がサービスごとに違います。
この記事では、0円の原資を3つの型に分けて比較します。会計ソフトの契約が原資になっている型、設立後の顧問契約が原資になっている型、紹介手数料が原資になっている型。どの型かが分かれば、その0円が自分にとって本当に無料なのかを判断できます。
先に大事な点を書いておくと、どの型を選んでも、登録免許税と定款認証の手数料は残ります。会社設立そのものが0円になるわけではありません。この前提を押さえてから読み進めてください。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
まず、会社設立が完全に0円になることはありません

最初に確認しておきます。会社設立には、国や公証人に納めるお金がかかります。これは代行の報酬とは別のもので、どのサービスを選んでも0円にはなりません。

つまり、「会社設立無料」と書かれていても、実際には16万7,000円前後は出ていきます。合同会社なら定款認証がないので6万円で済みますが、それでも0円ではありません。会社設立のおすすめを比較するときは、この土台を頭に置いてください。
ここで大事なのは、広告の表示が嘘だというわけではない点です。代行の報酬という意味では、たしかに0円です。ただ、読み手のほうは「会社設立にかかるお金が0円になる」と受け取ってしまいます。この認識のずれが、あとで見積もりを見て驚く原因になります。会社設立のおすすめを比較するときは、何が0円なのかを一段細かく読む癖をつけてください。
0円になっているのは何か
- サービスの利用料(クラウド型のツール代)
- 代行の報酬(士業や事業者が受け取るお金)
- 電子定款の作成費用(条件を満たした場合)
型1|会計ソフトの契約が原資になっている

freee、マネーフォワード、弥生といった会計ソフトの事業者が出している会社設立サービスがこの型です。ツールの利用料は0円で、電子定款の費用も自社の会計ソフトを契約すれば負担してもらえます。
| サービス | 代行手数料 | 電子定款 | 利用条件 |
|---|---|---|---|
| freee会社設立 freee株式会社/クラウドツール | 利用料金0円 | 対応。行政書士への委任契約で費用が発生し、freee会計の年間契約で5,000円分を負担 | 電子定款費用の負担を受けるにはfreee会計の年間契約が必要 |
| マネーフォワード クラウド会社設立 株式会社マネーフォワード/クラウドツール | サービス利用料0円 | 対応。通常5,000円、マネーフォワード クラウドの有料プラン契約で無料 | 電子定款を無料にするには有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス)の契約が必要 |
| 弥生のかんたん会社設立 弥生株式会社/クラウドツール | 登録および書類作成は無料 | 対応。専門家による電子定款作成5,000円またはオンライン申請のシステム利用料5,000円。弥生会計 Nextの年契約で5,000円分を負担 | 登記まで一貫して同サービスを使う必要がある。途中からの利用は不可。株式会社・合同会社のみ |
この型が成り立つ理由ははっきりしています。会社設立をした人は、そのあと記帳と申告をします。そこで自社のソフトを使ってもらえれば、設立の手間をタダで引き受けても採算が合うというわけです。
この型を選ぶかどうかの分かれ目は、設立後に自分で記帳をするつもりがあるかどうかです。会計ソフトは入れたが結局使わなかった、というのがいちばんもったいない形になります。逆に、もともと入れる予定だったソフトで会社設立まで済ませられるなら、これ以上に効率のよい選び方はありません。
電子定款の費用を負担してもらう条件は、年間契約であることが多い点に注意してください。月額で数か月だけ使って解約すると、条件を満たさなくなる可能性があります。
型2|設立後の顧問契約が原資になっている

税理士法人が出している「設立手数料0円」がこの型です。設立の手続きはグループ内の司法書士や行政書士が処理し、その報酬は取りません。かわりに、設立後の顧問契約を結んでもらいます。
| サービス | 代行手数料 | 利用条件 | 対応範囲 |
|---|---|---|---|
| 税理士法人経営サポートプラスアルファ 経営サポートプラスアルファ/税理士法人 | 代行費用 実質0円(設立後の顧問契約が前提。顧問料 月額22,000円) | 設立後の顧問契約が前提 | 設立手続きから設立後の税務顧問まで |
| ベンチャーサポート税理士法人 ベンチャーサポートグループ/税理士法人 | 設立後の税理士顧問契約(月額3万円前後)とセットなら、行政書士・司法書士の手続き代行手数料は0円 | 手数料0円は設立後の顧問契約とセットの場合。設立のみの依頼可否は公式サイトに記載なし | 設立手続き、設立後の税務顧問、社会保険・労務顧問、融資、補助金、経営相談。グループに税理士法人・社会保険労務士法人・司法書士法人 |
| 会計事務所SoVa 株式会社SoVa/税理士法人・バックオフィス代行 | 顧問契約により会社設立のサポートが0円 | 顧問契約が前提(設立後の継続サポートと合わせて依頼すると設立サポート費用0円)。月額29,800円〜(税抜)。特殊な業種・組織形態は事前相談 | 設立サポートに加えて記帳代行、社会保険・労務、税務顧問。給与計算・融資・補助金は公式サイトに記載なし |
| 明治通り税理士法人 明治通り税理士法人/税理士法人 | 設立後の顧問契約とセットで設立手数料が実質0円になるプランありと記載。金額は公式サイトに記載なし | 実質0円は設立後の顧問契約とセットの場合 | 設立前の相談から登記後の税務届出・経理体制の構築までワンストップ。全国対応 |
顧問料は月額2万2,000円から3万円前後が公式サイトに示されています。1年で26万円から36万円ほど。設立の報酬5万円から10万円が0円になることと引き比べると、1年目の出費としては顧問契約のほうが大きくなります。
ただし、これを「損」と決めつけるのは早計です。顧問料には記帳や申告の対応が含まれます。自分でやれば無料ですが、その時間は事業に使えません。時間を買っていると考えるかどうかで、この型の評価は変わります。
なお、顧問契約型のサービスは、設立の日数が短い傾向があります。グループ内に司法書士を抱えていて、外部とのやりとりが発生しないためです。公式サイトに「最短1日」「5営業日」といった具体的な日数を書いているのも、この型が多くなっています。急いでいる人にとっては、費用面の不利を日数で取り返せることもあります。
契約の前に確かめること
- 顧問料の金額と、そこに何が含まれるか(決算申告は別料金か)
- 契約期間の縛りと、短期で解約したときの扱い
- 記帳を自分でやる場合に顧問料が下がるか
- 設立だけの依頼を受けてもらえるか
型3|紹介手数料が原資になっている

税理士を紹介するマッチングサービスがこの型です。利用者は無料で、紹介した専門家から手数料を受け取ることで成り立っています。
| サービス | 代行手数料 | 株式会社の総額 | 利用条件 |
|---|---|---|---|
| 比較ビズ 株式会社ワンズマインド/マッチング | 発注者側の利用料0円 | 費用は依頼先次第(公式サイトに総額の記載なし) | 発注者は無料。運営21年、発注利用者数18万社超と記載 |
| 税理士ドットコム 弁護士ドットコム株式会社/マッチング | 税理士紹介サービスは完全無料 | 紹介先の税理士による | 費用は紹介先の税理士次第。登録税理士数7,533人(2026年8月21日時点) |
| ミツモア 株式会社ミツモア/マッチング | 見積もり無料 | 約25万円(実費込みの相場としてページに記載) | 最大5名の専門家から見積もりを受け取る仕組み。費用は各専門家の見積もり次第 |
この型で気をつけたいのは、無料なのは紹介までで、実際の設立費用は紹介先の見積もり次第だという点です。相場が示されていることはありますが、確定した金額ではありません。会社設立のおすすめを金額で決めたい人は、届いた見積もりを自分で比較する必要があります。
マッチング型を使うときにおすすめなのは、届いた見積もりを同じ土俵に並べ直すことです。実費が含まれているか、電子定款が別料金か、登記の代理まで含むか。この3点をそろえてから比較すれば、見積もりの数字の意味が同じになります。紹介されたからといって、そのまま決める必要はありません。
逆に、自分で探す手間を省けるのは大きな利点です。とくに、地元で対面の相談ができる相手を探したい場合は、マッチング経由のほうが早く見つかることがあります。
3つの型を並べて比較する

ここまでの3つを一覧にします。会社設立のおすすめを選ぶときは、自分がどの型と相性がよいかで判断してください。

どの型にも当てはまらない選び方もあります。条件なしで報酬を数千円台に抑えているサービスです。0円ではありませんが、会計ソフトの契約も顧問契約も要りません。会社設立の費用だけを抑えたいなら、こちらのほうがおすすめになることもあります。
採点の見方:手数料が数千円台で条件の縛りが明記されていない点を高く評価。設立後の税務までは含まない(2026-08-22 時点で公式サイトに表示されていた内容)
採点の見方:都度払いで金額が小さい。設立後の税務は範囲外(2026-08-22 時点で公式サイトに表示されていた内容)
どの型が自分に合うか決めきれないときは、無料の相談で条件を確かめてみてください。
無料で相談してみる※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
出典消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
0円をうたうサービスへの質問のしかた

0円の中身を確かめるのは難しくありません。問い合わせのときに、次の4つを聞いてください。
そのまま聞ける4つの質問
- 0円なのはどの費用ですか。登録免許税と定款認証の手数料は別にかかりますか。
- 0円にするための条件はありますか。会計ソフトの契約や顧問契約が必要ですか。
- その条件を満たさない場合、設立費用はいくらになりますか。
- 条件となる契約を途中で解約した場合、どうなりますか。
この4つに具体的に答えてくれるサービスは、信用してよいと思います。言葉を濁すところは、条件が読者に不利だから濁している可能性があります。会社設立のおすすめを比較するときの、ひとつの見極め方です。
もうひとつ、比較の材料として見ておきたいのが、そのサービスが会社設立以外に何を売っているかです。会計ソフト、税務顧問、バックオフィス代行。売っているものが分かれば、0円の原資も自然に見えてきます。公式サイトのトップページを見るだけで、たいていは分かります。

公的なサービスなら、代行費用は本当にかかりません

民間のサービスとは別に、公的な選択肢もあります。デジタル庁が提供する法人設立ワンストップサービスは、マイナポータル上で設立の登記と設立後の届出をまとめて申請できる仕組みです。
| サービス | 代行手数料 | 電子定款 | 利用条件 |
|---|---|---|---|
| 法人設立ワンストップサービス デジタル庁/公的サービス | 無料(登録免許税などの実費は別) | 定款認証の手続に対応 | マイナンバーカードと電子署名が必要。2026年8月時点で一部手続の新規申請を控えるよう告知あり |
代行費用という意味では、これが本当の無料です。ただし、書類の内容を自分で決めて、自分で入力する前提です。マイナンバーカードと電子署名も必要になります。会社設立のおすすめとしては、手続きを自分で進める意思がある人向けの選択肢と言えます。
利用の前に稼働状況を確認してください
2026年8月時点で、公式サイトに一部手続の新規申請を控えるよう告知が出ていました。使う前に事前に現在の状況を確認してください。急いでいる場合は、民間のサービスのほうが確実なこともあります。
まとめ|0円の理由を確かめれば、判断できます

会社設立の「無料」は、会計ソフトの契約・顧問契約・紹介手数料のいずれかを原資にして成り立っています。どれも仕組みとしては真っ当で、条件に合う人にとってはおすすめできる形です。
この記事で押さえたこと
- 登録免許税と定款認証の手数料は、どのサービスでも残る。完全な0円はない。
- 会計ソフト型は、そのソフトを使う予定があるなら実質的に負担が増えない。
- 顧問契約型は1年目の出費が大きいが、記帳と申告の手間がなくなる。
- マッチング型は紹介まで無料。設立費用は紹介先の見積もり次第。
- 会計ソフトも顧問契約も要らないなら、条件なしで数千円台のサービスのほうが安い。
料金と条件は2026年8月時点で確認できたものです。制度も各社の条件も変わりますので、申し込みの前に公式サイトで最新の表示をご確認ください。判断に迷うところは、税理士や司法書士にご相談ください。
出典国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」
0円の理由が分かれば、うさんくささは消えます
「無料」に身構える必要はありません。なぜ0円にできるのかを聞いて、納得できる答えが返ってくるかどうか。それだけを確かめれば十分です。答えられないサービスがあれば、そこは避ければよいだけの話です。
そして、自分がその原資となる契約を続ける気があるかどうか。ここが一致していれば、0円のサービスは会社設立のおすすめとして十分に検討する価値があります。逆に一致していないなら、素直に報酬を払う形のほうが安く済みます。
各サービスの条件は変わります。申し込みの前に、公式サイトで最新の表示をご確認ください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
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