この記事は「会計ソフトのプランがいくつもあって、どれを選べばいいのか分からない」人に向けたものです
会計ソフトの料金ページを開くと、プランが3つも4つも並んでいます。機能の表を見比べても、どれが自分に必要なのか判断がつきません。とりあえず真ん中にしておく、という選び方をしてしまいがちです。
会社設立の直後という前提で言えば、おすすめはいちばん軽いプランから始めることです。取引が少ないうちは上位プランの機能を使いきれませんし、必要になってからでも上げられます。逆に、下げるほうが心理的に難しいものです。
この記事では、料金プランの考え方と、上げるべきタイミングの見分け方を比較します。金額は公式サイトで確認できたものだけを載せ、確認できないものは「公式サイトに記載なし」としています。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
設立直後に必要な機能は、意外と少ない

会社設立の初年度、とくに最初の数か月にやることを並べると、必要な機能はそれほど多くありません。
設立直後に実際に使う機能
- ✓法人口座とクレジットカードの明細を自動で取り込む
- ✓領収書を登録して、経費として計上する
- ✓設立にかかった費用を創立費として記録する
- ✓役員報酬の支払いを記録する
- ✓月ごとの残高を確認する
請求書の大量発行、複数拠点の管理、部門別の集計、承認のワークフロー。こうした機能は上位プランの売りになっていますが、会社設立の直後に必要になることはまずありません。取引先が数社、従業員がゼロという状態では、使う場面がないからです。
だからおすすめは、いちばん軽いプランから始めることです。ひとり法人向けの低価格なプランを用意しているソフトもあり、会社設立の直後にはこれで十分なことが多いはずです。
もうひとつ、軽いプランから始めることをおすすめする理由があります。会社設立の直後は、そもそも何が必要になるかが読めません。従業員を雇うかどうか、取引先がどこまで増えるか、請求書を何通出すことになるか。読めない状態で上位プランを契約しても、当てずっぽうになります。3か月ほど使ってみれば、自分の会社に何が必要かが見えてきます。
上げるのは簡単、下げるのは難しい
プランを上げるのは、必要になったときにすぐできます。逆に、上位プランで始めて機能を使いきれていないと気づいても、下げる判断はなかなかつきません。迷ったら軽いほうからというのは、会社設立まわりの固定費全般に言えることです。
料金を比べるときに見るところ

会計ソフトの料金を比較するときは、次の4点を見てください。月額の数字だけを並べても、実際の負担は分かりません。
このうち2つ目が、金額の差を生みやすいところです。会計ソフト単体では安く見えても、請求書と給与計算を別に契約すると合計が逆転することがあります。会社設立の直後は使わない機能でも、1年以内に必要になりそうなら合計で比べておくと安心です。
サポートの手厚さも料金に反映されます。電話で相談できるか、チャットだけか、仕訳の内容について聞けるか。会社設立の直後で経理がはじめてなら、この部分にお金を払う価値は十分にあります。おすすめの見方としては、「分からないときに聞ける先があるか」を料金表とは別に確かめることです。
また、キャンペーンで初年度が割引になっていることもあります。ただし2年目から通常料金に戻るので、2年目以降の金額で比べるようにしてください。初年度の安さだけで決めると、翌年に驚くことになります。
逆に、当面まったく使わない機能まで含んだプランを選ぶ必要はありません。1年以内に使う見込みがあるかどうかを基準にすると、判断しやすくなります。
会社設立ツールとセットで見たときの費用

会社設立のツールと同じ事業者の会計ソフトを契約すると、電子定款の費用を負担してもらえます。この点も料金の比較に入れてください。
| サービス | 利用料 | 電子定款 | 利用条件 |
|---|---|---|---|
| freee会社設立 freee株式会社/クラウドツール | 利用料金0円 | 対応。行政書士への委任契約で費用が発生し、freee会計の年間契約で5,000円分を負担 | 電子定款費用の負担を受けるにはfreee会計の年間契約が必要 |
| マネーフォワード クラウド会社設立 株式会社マネーフォワード/クラウドツール | サービス利用料0円 | 対応。通常5,000円、マネーフォワード クラウドの有料プラン契約で無料 | 電子定款を無料にするには有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス)の契約が必要 |
| 弥生のかんたん会社設立 弥生株式会社/クラウドツール | 登録および書類作成は無料 | 対応。専門家による電子定款作成5,000円またはオンライン申請のシステム利用料5,000円。弥生会計 Nextの年契約で5,000円分を負担 | 登記まで一貫して同サービスを使う必要がある。途中からの利用は不可。株式会社・合同会社のみ |
電子定款の費用は5,000円前後です。会計ソフトの年額が3万円だとすると、初年度は実質2万5,000円で使い始められる計算になります。会計ソフトをどのみち入れるなら、設立ツールも同じ事業者にするのがおすすめという結論になります。

この試算で分かるのは、会社設立の費用のうち、会計ソフトを絡めて減らせるのは電子定款の部分だけだということです。登録免許税や定款認証の手数料は、どのソフトを使っても変わりません。おすすめの考え方としては、会計ソフトは「設立費用を減らす道具」ではなく「設立後の道具」と割り切って選ぶことです。
注意点として、電子定款の費用負担は年間契約や有料プランの契約が条件になっています。月額で数か月使って解約するつもりなら、条件を満たさない可能性があります。契約の前に確かめてください。
プランを上げるべきタイミング

軽いプランで始めたあと、どこで上げるか。目安になるのは次の3つです。
プランを上げる3つのきっかけ
- 従業員を雇ったとき:給与計算、源泉徴収、社会保険の手続きが発生します。年末調整も必要になります。
- 取引の数が増えたとき:毎月の仕訳が数十件を超えてくると、自動化の機能が効いてきます。請求書の発行も手作業では追いつかなくなります。
- 消費税の課税事業者になるとき:集計と申告の作業が増えます。インボイスの扱いも関わってきます。
3つ目については、会社設立の資本金にも関係します。事業年度開始の日の資本金が1,000万円以上の新設法人は、設立1期目から消費税の納税義務があります。この場合は最初から集計の機能が必要になるので、プランの選び方も変わります。
2つ目の目安について、もう少し具体的に書きます。毎月の仕訳が20件程度なら、手で入力しても30分ほどで終わります。これが100件を超えてくると、自動仕訳のルール設定や、請求書からの自動連携が効いてきます。おすすめの判断は、月末の作業に1時間以上かかるようになったら見直す、というあたりです。
資本金を1,000万円未満にしていれば、設立1期目と2期目は納税義務が免除される可能性があります。ただし特定新規設立法人に該当する場合など、他の要件でも扱いが変わるので、心配なら税理士に確認してください。

税理士に頼む場合の料金の考え方

設立後に税理士へ頼むなら、会計ソフトの料金は顧問料と合わせて考えることになります。組み合わせは大きく3通りです。

真ん中の形が、費用と手間のバランスが取りやすいところです。記帳を自分でやれば顧問料の交渉余地が生まれますし、決算だけ任せれば申告の心配がなくなります。会社設立の直後におすすめしやすい組み合わせです。
いちばん下の「税理士に丸ごと」は、費用は高くなりますが手間は最小です。会社設立の直後に事業の立ち上げで手いっぱいなら、この形も十分に合理的です。おすすめかどうかは、経理に割ける時間と、顧問料を払える売上の見込みで決まります。
ただし、記帳を自分でやると決めたなら、実際に毎月やる必要があります。溜めてしまうと、決算のときにまとめて直すことになり、追加の費用が発生することがあります。月末に30分だけ時間を取ると決めておいてください。
ソフトと税理士の組み合わせを相談したい方は、無料の相談から始めてみてください。
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安さだけで選ぶと起きること

料金を抑えること自体はよいのですが、次の3つは避けたほうがよいところです。
避けたい選び方
- 申告書が作れないプランを選んで、決算前に上位プランへ切り替える羽目になる
- 個人事業主向けのプランを契約してしまい、法人の決算に対応できない
- 顧問税理士が対応していないソフトを選んで、データの受け渡しが手作業になる
- 買い切り型を選んだあと、税制改正のたびに買い直すことになる
2つ目は実際に起こります。会社設立をした以上、必要なのは法人向けのプランです。個人事業主向けのプランは料金が安いので目に入りますが、法人の決算には対応していません。契約の前に、法人向けかどうかをよく確かめてください。
3つ目も見落としがちです。税理士に頼む予定があるなら、ソフトを決める前に「どのソフトに対応していますか」と聞いておくのがおすすめです。会社設立の相談のついでに聞けば済む話です。

よくある質問

プランは途中で変えられますか
多くのソフトで、上位プランへの変更は随時できます。下位プランへの変更は、契約の区切りでしか受け付けないことがあります。年額で契約している場合は、更新のタイミングまで待つ形になるのが一般的です。
無料の試用期間はどれくらいですか
ソフトによりますが、1か月程度の試用期間を用意しているところが多いようです。会社設立の準備と並行して試しておくのがおすすめです。設立が終わってから探し始めると、記帳を始めるまでに時間が空いてしまいます。
解約するとデータはどうなりますか
ソフトによって扱いが違います。一定期間は閲覧だけできる、エクスポートはできるが編集はできない、といった形が一般的です。法人には帳簿書類の保存義務があるので、解約の前に忘れずにデータを書き出しておいてください。
設立ツールだけ使って、会計ソフトは別のものにしてもよいですか
構いません。その場合、電子定款の費用は自己負担になります。5,000円前後なので、使いたいソフトが別にあるなら、その5,000円は払う価値があります。会社設立のおすすめの組み合わせは、人によって違ってよいところです。
まとめ|軽いプランで始めて、必要になったら上げる

会社設立の直後は、取引が少なく上位プランの機能を使いきれません。いちばん軽いプランから始めて、必要になったときに上げるのがおすすめです。
この記事で押さえたこと
- 設立直後に実際に使う機能は、口座連携・領収書・創立費・役員報酬・残高確認くらい。
- 料金は月額か年額か、周辺サービスが含まれるか、申告書が作れるか、人数の上限で比べる。
- 同じ事業者の設立ツールを使えば、電子定款の5,000円前後が負担される。
- プランを上げるのは、人を雇うとき・取引が増えたとき・課税事業者になるとき。
- 法人向けのプランであることを、契約前によく確かめる。
料金とプランの内容は2026年8月時点で公式サイトに表示されていたものです。各社の条件は変わりますので、契約の前に最新の表示をご確認ください。税務の判断が必要な点は、税理士にご相談ください。
必要になってから上げれば間に合います
会社設立の直後にプランで悩む時間は、正直なところもったいないところです。軽いプランで始めて、困ったら上げる。これで大きく外すことはありません。
むしろ大事なのは、契約したソフトを実際に使い始めることです。会社設立の準備が一段落したら、その日のうちに法人口座とカードを連携させてください。仕組みが動き出せば、あとは毎月数分の作業になります。
プランを上げるべきタイミングについては、この記事の目安を参考にしてください。年に一度、決算のあとに見直す習慣をつけておくと、実態と合わないまま払い続けることがなくなります。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
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