この記事は「税務署に何をいつ出せばいいのか」を確かめたい人に向けたものです
会社設立後に税務署へ出す書類は、1枚ではありません。提出しないと不利になるものが混じっているので、まとめて確認しておく必要があります。
とくに注意したいのが青色申告の承認申請書です。期限を過ぎると、その事業年度は青色申告ができません。会社設立の初年度が赤字になった場合、その赤字を翌年以降に繰り越せなくなります。
この記事では、税務署に出す書類を期限と効果つきで整理します。出し忘れを防ぐための順番も書いておきます。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
出す書類の全体像

税務署に出す書類は、提出が要るものと、状況に応じて出すもの、出すと有利になるものに分かれます。

なお、この表は税務署に出すものだけです。都道府県税事務所と市町村役場への届出は別にあります。窓口が3つに分かれていると考えてください。
この表を比較して分かるのは、期限がばらばらだということです。だからこそ、まとめて一度に出すのが確実です。
出す先は、本店所在地を管轄する税務署です。国税庁の公式サイトで管轄を調べられます。会社設立の準備の段階で確認しておくと、あとで慌てません。
提出が要るのは法人設立届出書だけですが、他のものも出さないと不利になったり、手間が増えたりします。「必須ではない=出さなくてよい」ではありません。
5つ目と6つ目の届出書は、該当する場合だけ出します。提出しない場合は法定の方法が適用されるという扱いになっているので、それで不利になるわけではありません。自社に合う方法があるなら届け出る、という位置づけです。
会社設立のおすすめの進め方としては、この表を印刷して、出したものにチェックを入れていくことです。
法人設立届出書

会社設立をしたことを税務署に知らせる書類です。国税庁の案内によると、提出期限は設立の日以後2か月以内とされています。
「設立の日」は、登記の申請をした日です。登記が完了した日ではありません。申請日が起算点になるので、完了を待っていると期間が短くなります。
法人設立届出書に書くこと
- ✓法人名、本店所在地、法人番号
- ✓設立の日、事業年度
- ✓資本金の額
- ✓事業の目的
- ✓支店や事業所があればその情報
事業の目的の欄は、定款に書いた内容をもとに記入します。定款の目的をどう書くかは、会社設立の準備段階で決めることです。おすすめは、定款の写しを見ながら記入することです。
添付書類としては、定款の写しを求められるのが一般的です。所轄の税務署によって求められるものが違うことがあるので、事前に確認しておいてください。

事業年度の記載は、定款で定めた内容と一致させてください。ここが食い違うと、あとの申告のスケジュールにも影響します。
法人番号は、登記が完了すると国税庁から通知されます。国税庁の法人番号公表サイトでも検索できます。
会社設立のおすすめの段取りとしては、登記の申請をした時点でこの書類の準備を始めることです。2か月あるとはいえ、他の手続きも重なる時期です。
青色申告の承認申請書

この書類が、会社設立後の手続きのなかでもっとも取り返しがつかないものです。
国税庁の案内によると、青色申告の承認を受けようとする法人は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに申請書を提出する必要があるとされています。
たとえば、設立から2か月後に最初の事業年度が終わる設定にした場合、期限はその事業年度終了の日の前日になります。3か月あると思い込んでいると間に合いません。
つまり、事業年度を3か月より短く設定した場合は、期限がさらに前倒しになります。決算月の決め方によって期限が変わるということです。
青色申告の主な特典
- ✓欠損金の繰越控除(赤字を翌年度以降に繰り越せる)
- ✓欠損金の繰戻し還付(一定の要件のもとで前期の税額の還付を受けられる)
- ✓少額減価償却資産の特例など、各種の特例の適用
- ✓帳簿の記帳が前提になるので、経営の数字が見えるようになる
1つ目の欠損金の繰越控除が、会社設立の初年度にはとくに効きます。初年度は設備投資などで赤字になることが多く、その赤字を翌年度以降の黒字と相殺できるかどうかで税額が変わります。
2つ目の繰戻し還付は、一定の要件のもとで前の事業年度に納めた税額の還付を受けられる仕組みです。青色申告でなければ使えません。会社設立から数年たって業績が振れたときに効いてきます。
青色申告をするには、帳簿を備え付けて記録し、保存する必要があります。会計ソフトを使えば、この要件を満たしやすくなります。会社設立の直後にソフトを用意しておくのがおすすめです。
会社設立のおすすめの手順としては、決算月を決めるときに、この期限も一緒に計算しておくことです。決算月の設定と青色申告の期限は連動しています。
期限を過ぎてしまった場合、その事業年度は白色申告になります。翌事業年度から青色申告にするには、あらためて申請することになります。
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給与支払事務所等の開設届出書と源泉所得税

役員報酬や給与を支払う場合、源泉徴収をして納付する義務が発生します。そのための届出です。
国税庁の案内によると、給与支払事務所等の開設届出書の提出期限は開設の日から1か月以内とされています。一人社長でも、自分に役員報酬を出すなら必要です。
源泉徴収する金額は、報酬の額と扶養親族の数によって決まります。国税庁が公表している源泉徴収税額表で確認できます。会計ソフトを使えば自動で計算されます。
源泉所得税は、原則として支払った月の翌月10日までに納付します。毎月の作業になるので、事務の負担があります。
納付を忘れると、不納付加算税や延滞税がかかることがあります。毎月の納付は忘れやすいところなので、仕組みで防ぐことを考えてください。
そこで使えるのが、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書です。給与の支払いを受ける者が常時10人未満である場合に適用され、納付が年2回にまとまるとされています。

この比較のとおり、会社設立の直後で人数が少ないなら、特例を使うほうが楽です。ただし、年2回にまとまる分、1回の納付額は大きくなります。資金を確保しておいてください。
納期の特例の適用が始まるのは、申請書を出した月の翌月に支払う分からとされています。申請の直後に支払う分は原則どおりの扱いになることがあるので、時期を確認しておいてください。
会社設立のおすすめとしては、法人設立届出書と一緒にこの2枚も出しておくことです。あとから思い出して出すより確実です。
出典国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
消費税に関する届出

消費税については、会社設立の状況によって扱いが変わります。慎重に判断すべきところです。
新しく設立した法人は、基準期間がないため、設立当初は納税義務が免除されることがあります。ただし、資本金の額や特定期間の売上高などによって、課税事業者になる場合があります。
また、インボイス制度の登録をすると、免税事業者ではいられなくなります。会社設立の初年度から消費税を納めることになるということです。
消費税について確認すること
- 資本金の額がいくらか(判定に関わります)
- 取引先がインボイスを求めるかどうか
- 免税でいるか、登録して課税事業者になるかの判断
- 簡易課税制度を使うかどうか(該当する場合、届出が必要)
1つ目の資本金の額については、一定の金額を超えると設立当初から課税事業者になるという判定があります。資本金をいくらにするかは、登録免許税だけでなく消費税にも関わるということです。
2つ目が実務では大きな判断材料です。取引先が課税事業者で仕入税額控除を必要とする場合、インボイスの登録を求められることがあります。取引先の状況を確認してから決めてください。
4つ目の簡易課税制度は、売上高が一定以下の事業者が使える計算方法です。実際の仕入れにかかった消費税を集計せずに、みなしの割合で計算します。事務は楽になりますが、有利かどうかは事業の中身によります。原則課税と比較して判断してください。
消費税の判定は複雑です。会社設立のおすすめの進め方としては、資本金を決める段階で税理士に相談することです。あとから変えるのは大変です。
いったんインボイスの登録をすると、取りやめにも手続きと期間の制約があります。登録は慎重に判断してください。
届出書の様式と要件は、国税庁の公式サイトで確認できます。制度は改正されるので、最新の案内をご覧ください。
e-Taxを使うかどうか

税務署への提出は、窓口・郵送のほか、e-Tax(国税電子申告・納税システム)でもできます。
窓口に行く時間が取りにくい方には、電子申告が向いています。会社設立の直後は、あちこちに出向く用事が重なるためです。
e-Taxを使うには、利用者識別番号の取得と、電子証明書の準備が必要です。法人の場合、商業登記に基づく電子証明書などを使います。取得には手数料と手続きが要ります。
会社設立の直後に用意しておくと、その後の申告や届出もすべて電子で完結します。毎年の決算申告のことを考えると、早めに整えておく価値があります。
地方税については、eLTAXという別のシステムがあります。国税がe-Tax、地方税がeLTAXという分かれ方です。両方を使えるようにしておくと、届出も申告も電子で済みます。
会計ソフトのなかには、e-Taxと連携して申告書を送信できるものがあります。ソフトを比較するときは、この機能の有無も見てください。
ソフトを比較するときのおすすめの見方は、申告まで完結できるかどうかです。記帳だけできても、申告が別だと結局手間が残ります。
また、一定の規模の法人には電子申告が義務づけられています。該当するかどうかは国税庁の案内でご確認ください。会社設立の直後は該当しないことが多いものの、事業が育てば関わってきます。
電子と紙を比較すると、初期の準備は電子のほうが手間ですが、その後は電子のほうが楽になります。会社設立の直後は忙しいので、どちらを選ぶかは時間の余裕次第です。
窓口で相談しながら出したいという場合は、無理に電子にする必要はありません。会社設立のおすすめとしては、最初の1回は窓口で確認しながら出し、次から電子に切り替えるという進め方もあります。
よくある質問

青色申告の申請を忘れました
その事業年度は白色申告になります。欠損金の繰越控除などの特典が使えません。翌事業年度から青色申告にするには、あらためて申請してください。期限は国税庁の案内でご確認ください。
税理士に頼まないと出せませんか
自分で出せます。様式は国税庁の公式サイトからダウンロードでき、記載のしかたも公開されています。ただし、消費税の判定など判断が要るところもあります。迷うところだけ相談するという使い方もあります。
添付書類は何が要りますか
法人設立届出書には定款の写しを添えるのが一般的です。所轄の税務署によって求められるものが違うことがあるので、提出前に電話で確認しておくと確実です。
会社設立の代行サービスで一緒に頼めますか
サービスによります。設立の登記までを扱うところと、設立後の税務まで見るところがあります。比較して選んでください。税理士法人が運営するサービスなら、設立後の顧問契約とあわせて扱えることが多いところです。
まとめ|まとめて一度に出す

税務署に出す書類は複数あり、期限もばらばらです。会社設立の直後に、まとめて一度に出すのが確実です。
この記事で押さえたこと
- 法人設立届出書は設立の日以後2か月以内。設立の日は登記の申請日。
- 青色申告の承認申請は、期限を過ぎるとその事業年度に適用されない。
- 給与支払事務所等の開設届出書は開設の日から1か月以内。
- 源泉所得税の納期の特例を使うと、納付が年2回にまとまる。
- 消費税は資本金の額やインボイス登録の判断で扱いが変わる。
- e-Taxを整えておくと、その後の申告も電子で完結する。
期限と要件は2026年8月時点で確認できたものです。制度は改正されますので、実際の提出の前に国税庁の案内をご確認ください。個別の判断は所轄の税務署か税理士にご相談ください。
まとめて一度に出すのが確実です
書類ごとに期限が違うので、別々に出そうとするとどれかを忘れます。会社設立の直後に、出すものをまとめて一度に提出してください。
e-Taxを使えば窓口に行かずに済みます。会計ソフトと連携させておけば、その後の申告も同じ仕組みで進められます。
書類の要否は、会社の状況によって変わります。判断に迷うところは、所轄の税務署か税理士にご確認ください。制度は変わりますので、最新の案内をご確認のうえ手続きしてください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
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