この記事は「税理士に頼むと結局いくらかかるのか、相場が分からない」人のために書きました
税理士の費用は分かりにくい、とよく言われます。理由ははっきりしていて、「顧問料」という一語のなかに含まれるものが事務所ごとに違うからです。月額2万円のところと3万円のところがあったとして、その差が何なのかは見積書からは読み取れません。
そこでこの記事では、税理士に払うお金を4つに分けて整理します。顧問料、決算申告、記帳代行、そして会社設立の代行。この4つに分けてから比較すれば、事務所ごとの違いが見えてきます。
金額の目安は、各社の公式サイトに表示されていたものと、複数の解説記事で相場として紹介されている水準をもとにしています。確定した金額ではないので、見積もりを取ってご確認ください。会社設立のおすすめを費用で比べる際の下地としてお使いいただければと思います。
この記事は2026年8月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
税理士に払うお金は4つに分かれます

税理士費用を比較するときは、まずこの4つに分けてください。事務所によって、どこまでが顧問料に含まれるかが違います。
見積書に「顧問料 月額◯円」としか書かれていない場合、決算申告と記帳代行が含まれているかどうかが読み取れません。この2つが別料金だと、年間の合計が大きく変わります。会社設立のおすすめを費用で比べるなら、ここを遠慮なく聞いてください。
この4分類は、そのまま質問のリストになります。会社設立のおすすめを税理士から選ぶとき、「顧問料はいくらですか」だけを聞いても比較になりません。4つそれぞれについて金額と条件を聞けば、事務所ごとの違いがはっきりします。

出典消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
顧問料の水準を比較する

会社設立をきっかけに顧問契約を結ぶ場合、公式サイトに示されている金額は次のとおりです。いずれも2026年8月時点で確認できたものです。
| サービス | 代行手数料 | 利用条件 | 対応範囲 |
|---|---|---|---|
| 税理士法人経営サポートプラスアルファ 経営サポートプラスアルファ/税理士法人 | 代行費用 実質0円(設立後の顧問契約が前提。顧問料 月額22,000円) | 設立後の顧問契約が前提 | 設立手続きから設立後の税務顧問まで |
| ベンチャーサポート税理士法人 ベンチャーサポートグループ/税理士法人 | 設立後の税理士顧問契約(月額3万円前後)とセットなら、行政書士・司法書士の手続き代行手数料は0円 | 手数料0円は設立後の顧問契約とセットの場合。設立のみの依頼可否は公式サイトに記載なし | 設立手続き、設立後の税務顧問、社会保険・労務顧問、融資、補助金、経営相談。グループに税理士法人・社会保険労務士法人・司法書士法人 |
| 会計事務所SoVa 株式会社SoVa/税理士法人・バックオフィス代行 | 顧問契約により会社設立のサポートが0円 | 顧問契約が前提(設立後の継続サポートと合わせて依頼すると設立サポート費用0円)。月額29,800円〜(税抜)。特殊な業種・組織形態は事前相談 | 設立サポートに加えて記帳代行、社会保険・労務、税務顧問。給与計算・融資・補助金は公式サイトに記載なし |
| 明治通り税理士法人 明治通り税理士法人/税理士法人 | 設立後の顧問契約とセットで設立手数料が実質0円になるプランありと記載。金額は公式サイトに記載なし | 実質0円は設立後の顧問契約とセットの場合 | 設立前の相談から登記後の税務届出・経理体制の構築までワンストップ。全国対応 |
月額2万2,000円という表示と、月額3万円前後という表示、そして月額2万9,800円からという表示が並びます。年額に直すと26万4,000円から35万7,600円ほど。この差が何によるものかは、見積もりを取らないと分かりません。
一般に、顧問料の水準を動かす要素は次のようなものです。売上の規模、仕訳の件数、従業員の人数、訪問の頻度、そして記帳代行を含むかどうか。設立したばかりで売上がまだ立っていない時期は、いちばん安い区分に当てはまることが多いはずです。
訪問の頻度も見ておきたい項目です。毎月訪問してもらう契約と、決算のときだけ会う契約では、同じ「顧問」でも中身が違います。会社設立の直後は聞きたいことが多いので、最初の数か月だけ頻度を上げてもらう、といった相談ができる事務所もあります。おすすめの聞き方は「最初の3か月だけ手厚くしていただけますか」です。
会社設立の直後は、後者に当てはまる人が多いでしょう。最初は軽い契約から始めて、事業が育ってから見直すという進め方は、おすすめできる形です。
決算申告だけを頼むという選択

顧問契約を結ばず、決算申告だけを年に一度依頼する形もあります。「決算のみ」「スポット」といった呼び方をされることがあります。
相場としては単発で10万円前後という水準が複数の解説記事で紹介されています。顧問料を年間26万円払うのと比べれば、16万円ほど安く済む計算です。会社設立の直後で固定費を抑えたい人には、この形が向くことがあります。
決算のみを頼む場合の注意点
- 月次の相談ができないので、期中に判断が必要なことは自分で調べることになります。
- 記帳が正しくできていないと、決算のときにまとめて直すことになり、追加料金が発生することがあります。
- 青色申告の承認申請など、期限のある届出は自分で管理する必要があります。
- 融資や補助金の相談には対応してもらえないことがあります。
- そもそも決算のみの依頼を受けていない事務所もあります。
つまり、記帳を自分できちんとできる人向けの選択肢です。会計ソフトを使って毎月きちんと入力していれば、決算だけ頼む形は十分に成立します。逆に、領収書を箱に貯めておくタイプの人には向きません。
どちらがおすすめかは、事業の立ち上がり方によっても変わります。初年度から取引先が増えていく見込みなら顧問契約、しばらくは細々と続ける見込みなら決算のみ。会社設立の時点で読みきれないなら、決算のみで始めて、忙しくなったら顧問に切り替えるという順番でも構いません。

記帳代行を含めるかどうかで変わります

記帳代行は、領収書や通帳の写しを渡して、仕訳を作ってもらう作業です。これを含めるかどうかで、月額はかなり変わります。
会計ソフトが普及してからは、自分で入力して、税理士には確認だけしてもらう形が増えています。銀行口座とクレジットカードを連携させておけば、入力の手間はかなり小さくなります。会社設立と同時にソフトを入れておけば、最初から仕組みが回ります。
記帳を自分でやる場合の進め方
- 会社設立と同時に会計ソフトを契約し、法人口座とカードを連携させる。
- 領収書はスマートフォンで撮影して、その場で登録する。
- 月末に、自動で作られた仕訳を確認して修正する。
- 税理士にはデータを共有し、月次の確認と決算だけ依頼する。
この形にすると、記帳代行のぶんの費用がかかりません。税理士側も作業が減るので、顧問料の交渉がしやすくなります。お互いに得な組み合わせなので、会社設立のおすすめの進め方として検討してみてください。
なお、税理士側にも得意なソフトがあります。自分が使いたいソフトと、依頼したい事務所が対応しているソフトが合わないと、データの受け渡しが手作業になってしまいます。会社設立のおすすめの進め方としては、ソフトを決める前に候補の事務所へ「どのソフトに対応していますか」と聞いておくことです。
| サービス | 利用料 | 利用条件 | 対応範囲 |
|---|---|---|---|
| freee会社設立 freee株式会社/クラウドツール | 利用料金0円 | 電子定款費用の負担を受けるにはfreee会計の年間契約が必要 | 設立書類の作成と、設立後の会計ソフト連携 |
| マネーフォワード クラウド会社設立 株式会社マネーフォワード/クラウドツール | サービス利用料0円 | 電子定款を無料にするには有料プラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス)の契約が必要 | 設立書類の作成と、設立後のクラウドサービス連携 |
| 弥生のかんたん会社設立 弥生株式会社/クラウドツール | 登録および書類作成は無料 | 登記まで一貫して同サービスを使う必要がある。途中からの利用は不可。株式会社・合同会社のみ | 設立書類の作成と、設立後の会計ソフト連携 |
設立代行費用と顧問料を合わせて見る

ここまでを踏まえて、会社設立の1年目にいくら払うことになるかを整理します。株式会社・資本金100万円未満・電子定款という条件での例です。

この例では、決算申告が別料金だと1年目で52万9,000円になります。含まれていれば42万9,000円。10万円の差は、見積書の一行で決まります。会社設立のおすすめを比較するときに、ここを確かめない手はありません。
この金額を見て高いと感じるかどうかは、事業の規模によります。売上が年に数百万円の段階では重く感じますし、数千万円になれば妥当に思えてくるはずです。おすすめとしては、売上の何パーセントを経理にかけるかという見方をしてみることです。目安を持っておくと、値上げの相談があったときにも判断しやすくなります。
一方、設立代行に数千円から10万円弱を払い、顧問契約を結ばない形なら、1年目は20万円から30万円程度で収まります。ただしこの場合、記帳と申告と期限の管理は自分の仕事になります。
自分の場合の内訳を知りたい方は、無料の相談で見積もりを取ってみてください。
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見積もりを取るときに聞くこと

この記事の4分類を、そのまま質問にします。3社に同じことを聞けば、比較できる形の答えがそろいます。
そのまま送れる5つの質問
- 月額の顧問料はいくらですか。その金額に何が含まれますか。
- 決算申告は顧問料に含まれますか。別料金の場合はいくらですか。
- 記帳代行は含まれますか。自分で会計ソフトに入力する場合、顧問料は下がりますか。
- 会社設立の代行費用はいくらですか。顧問契約が条件になっていますか。登録免許税は別ですか。
- 契約期間の縛りはありますか。途中で解約した場合はどうなりますか。
5つ目を遠慮なく聞いてください
設立手数料を0円にしている事務所は、一定期間の顧問契約を前提にしていることがあります。短期での解約に違約金を設けている例もあると紹介されているので、契約書で確認してください。0円の原資は顧問料であるという構造を理解していれば、これは不自然なことではありません。納得できるかどうかの問題です。

費用を抑えたいときにできること

値引きを求めるより、範囲を調整するほうが現実的です。次のような調整なら、応じてもらえることがあります。
範囲を調整して抑える
- ✓記帳を自分でやる。会計ソフトのデータを共有する形にする。
- ✓訪問をやめて、オンライン面談と電話・メールにする。
- ✓面談の頻度を毎月から3か月に一度にする。
- ✓給与計算を自分でやる。あるいは人数が少ないうちは対象から外す。
- ✓顧問契約をやめて、決算申告だけ依頼する。
このうち、いちばん効くのは記帳を自分でやることです。仕訳の件数が多いほど、記帳代行の負担は大きくなるので、そこを引き取れば交渉の余地が生まれます。
逆に、抑えないほうがよいところもあります。決算申告を自分で作ろうとするのは、初年度はおすすめしません。別表の作成や消費税の判定は、独学で正確にやるには重い作業です。間違えたときの手戻りのほうが、報酬より高くつくことがあります。
もうひとつおすすめしたいのが、契約を1年ごとに見直すことです。設立初年度は取引が少なく、2年目3年目で増えていくのが普通です。最初に結んだ契約のまま何年も続けると、実態と合わなくなります。年に一度、範囲と金額を話し合う場を持つと決めておくとよいでしょう。
また、マッチングサービスを使って複数の見積もりを取るのも、費用を抑える方法のひとつです。利用は無料で、条件に合う事務所を複数紹介してもらえます。届いた見積もりを、この記事の4分類で並べ直してから比較してください。
まとめ|内訳に分けなければ、相場は比べられません

税理士費用は、顧問料・決算申告・記帳代行・設立代行の4つに分けてから比較してください。「月額◯円」という表示だけでは、何が含まれているか分かりません。
この記事で押さえたこと
- 顧問料は月額2万2,000円から3万円前後が公式サイトに示されている水準。
- 決算申告は顧問料に含まれる場合と、別料金の場合がある。別なら10万円前後が目安。
- 記帳を自分でやれば、顧問料の交渉余地が生まれる。
- 設立手数料0円は顧問契約が条件。1年目の合計で比べる。
- 抑えるなら値引きより、サービス範囲の調整を相談する。
ここに書いた金額のうち、公式サイトで確認できたものはその旨を記しています。相場として紹介されている水準は目安であり、確定した金額ではありません。実際の費用は見積もりでご確認ください。制度や料金は変わりますので、最新の内容は各事務所の公式サイトでご確認ください。
内訳に分けて聞けば、相場は自分で確かめられます
税理士費用が分かりにくいのは、料金表が悪いからではありません。サービスの中身が事務所ごとに違うからです。だからこそ、内訳に分けて聞くしかありません。この記事の4分類をそのまま質問に使ってください。
そして、安いところを選ばなければいけないわけでもありません。訪問の頻度、連絡の取りやすさ、融資に強いかどうか。金額に表れない部分で選ぶのも十分に合理的です。会社設立の直後は相談したいことが多いので、聞きやすい相手かどうかは大きな要素になります。
見積もりを3社ぶん並べて、内訳をそろえてから決めてください。それだけで、あとから「思っていたのと違う」と感じることはなくなります。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
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