この記事は「会社設立と同時に税理士と契約したが、このままでいいのか不安になってきた」人と、これから契約する人に向けたものです
会社設立の直後は、税務署への届出、役員報酬の決定、法人口座の開設、会計ソフトの準備と、やることが一度に押し寄せます。この時期に頼んだ税理士の対応がかみ合わないと、期限のある手続きを落とすおそれがあります。
「ダメな税理士」という言い方は強いのですが、検索でよく調べられている言葉なので、そのまま見出しにしました。ただしこの記事では、誰かの体験談や口コミを集めて事務所を評価することはしません。取り上げるのは、連絡・期限・説明・契約書という、自分の目で確かめられる4つの行動だけです。
後半では、契約の前に聞いておく質問と、契約したあとに見直すかどうかを決める目安を並べます。顧問税理士を長い目で選び直す話ではなく、会社設立から最初の決算までの1年に絞って書いています。
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この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
会社設立の直後に「この税理士で大丈夫か」と感じやすい理由

会社設立の直後に税理士への不安が出やすいのは、税理士の能力より、この時期の仕事の量と期限の集中が理由になっていることが少なくありません。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請はさらに短い期限があり、役員報酬の額も早い時期に決める必要があります。
こちらは初めての手続きで何が起きるか分からず、税理士の側は多くの顧問先を同時に抱えています。期待している返事の速さと、実際の返事の速さがずれやすい時期だということは、先に知っておくと冷静に判断できます。

そのうえで、期限に関わる案内がない、何度聞いても返事がない、説明を求めても根拠が示されないといったことが続くなら、時期のせいだけではありません。次の章から、4つの行動に分けて見ていきます。どの章も、契約前の比較にも契約後の見直しにも使える見方として読むのがおすすめです。
会社設立と税理士の関係を全体から比較したい人は、会社設立 おすすめ 税理士のカテゴリーページを先に読むと、頼むメリットと費用の全体像がつかめます。
連絡|返事が来ない・窓口が分からない

もっとも多く聞かれる不満が、連絡の遅さです。ただ、「遅い」の感じ方は人によって違います。契約の前に、返事の目安と連絡の手段を決めておくと、遅いのかどうかを数字で判断できるようになります。
税理士ドットコムの解説では、顧問契約の前に、面談の頻度や形式(来所・訪問・オンライン)で料金が変わることがあると説明されています。連絡の手段と頻度は、料金とセットで決まるものだと考えておくと、話がかみ合いやすくなります。
避けたいのは、返事の目安を聞いても答えがない、担当が誰なのか分からない、という状態です。会社設立の直後は、届出の書き方や役員報酬の額など、期限の近い質問が続きます。質問を送ってから1週間以上何の連絡もないことが繰り返されるなら、話し合うべきサインと見てよいでしょう。
こちらにもできる工夫があります。質問は1通にまとめて番号をつけ、いつまでに答えが欲しいかを書き添える。それだけで返事が速くなることは珍しくありません。急ぎの質問だけ件名に「期限あり」と入れておくのもおすすめです。会社設立のあとの付き合い方として、このやり方はどの事務所にもおすすめです。
出典税理士ドットコム「税理士との顧問契約で確認すべき6つのこと〜トラブル防止のための注意点」
期限|届出の期限を、こちらが聞くまで案内しない

会社設立の直後に税理士と契約する一番の意味は、期限のある届出を落とさないことです。そこでの案内がないなら、契約した意味が薄れてしまいます。
| 届出 | 出す先 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 法人設立届出書 | 税務署 | 設立の日以後2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立の日以後3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日のうち早い日の前日まで |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 給与の支払事務所を開設した日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 税務署 | 給与の支給人員が常時10人未満の場合に出せる。承認を受けると半年ごとの納付になる |
青色申告の承認申請は、出し忘れると1期目から青色申告の特典を受けられないことがあります。設立日と決算月によっては期限がかなり早く来るので、契約したらすぐに「青色申告の承認申請はいつまでに誰が出しますか」と聞いておくのがおすすめです。

案内がないこと自体よりも、聞いたときに期限と担当を即座に答えられるかを見てください。ここで曖昧な答えが続くなら、契約後に見直す材料になります。税務署へ出す書類の一覧は、会社設立後に税務署へ出す書類で整理しています。
説明|質問への答えに根拠や理由が示されない

税理士の仕事は、税務の判断を代わりに引き受けることでもあります。国税庁の税理士制度の案内では、税理士は税務に関する専門家として、納税義務者の信頼にこたえる使命があるとされています。その判断に理由がついてくるかどうかは、こちらが見ておくべき大事な点です。
たとえば役員報酬の額を相談したときに、「この金額にしておけば大丈夫です」とだけ言われるのと、「法人税と社会保険料のバランスを見るとこの範囲、ただし1年間は原則として変えられない」と理由を添えてもらえるのとでは、こちらの安心感がまったく違います。結論だけで理由がない答えが続くなら、理由を聞き直してみてください。
「節税の提案がない」だけで判断しないでください
会社設立の1年目は、売上も利益もまだ読めない時期です。節税の提案をする材料が少ないので、提案がないのは不自然なことではありません。見るべきは、こちらから聞いたときに、理由をつけて説明してくれるかです。提案の多さより、説明の分かりやすさのほうが、長く付き合ううえで効いてきます。
逆に気をつけたいのは、根拠を示さずに「確実に得をする」「税務署には分からない」と言い切る話し方です。税務の取り扱いは個別の事情で変わるので、言い切れることは多くありません。言い切りが多い相手ほど、根拠となる条文や国税庁の案内を聞いてみると、答え方で判断がつきます。
説明の分かりやすさは、契約の前の面談でも確かめられます。会社設立の費用をどう経費にするか、といった少し込み入った質問を1つ用意しておき、答え方を3つほどの事務所で比較するのがおすすめです。
契約書|見積もりの内訳と、解約の条件を書面で出さない

会社設立の慌ただしさの中で、口頭の約束だけで顧問契約を始めてしまうことがあります。あとで「それは料金に入っていない」と言われないためには、見積もりの内訳と契約書を書面で受け取っておくことが欠かせません。
鮎澤パートナーズ公認会計士・税理士事務所の解説では、税務顧問契約書で確認すべき項目として、業務範囲、報酬と支払い条件、契約期間と自動更新、解約条件、損害賠償の範囲と上限、税務調査対応の費用、守秘義務と情報管理の7つが挙げられています。この7つが書面に書かれているかを、署名の前に見ておくと安心です。

避けたいのは、見積もりの内訳を出さず「全部込みで月◯円」とだけ言う、契約書を作らない、解約の条件を聞いても答えない、といった対応です。会社設立の手数料を0円にする代わりに一定期間の顧問契約を前提にしている事務所もあるので、期間と解約の条件はとくに大事です。
契約書があれば、合わなかったときの替え方もはっきりします。書面のない契約は、こちらにとっても税理士にとっても不安の種になります。会社設立の1年目こそ、書面で始めるのがおすすめです。
出典鮎澤パートナーズ公認会計士・税理士事務所「税務顧問契約書で確認すべき7項目|業務範囲・解約条件・守秘義務」
資格|登録の番号や担当者の資格を確かめられない

ごくまれな話ですが、税理士でない人が税理士の仕事をしているケースもあります。税理士または税理士法人でない者は税理士業務を行えず、違反には罰則がある、と国税庁の案内にあります。契約の相手が正式に登録されているかは、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで確かめられます。
登録を確かめる手順
- 事務所のサイトや名刺で、税理士の氏名と事務所の所在地を控える。
- 日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、氏名か事務所の所在地で検索する。
- 税理士法人の場合は、法人としての登録も同じように確かめる。
- 日々の窓口が資格のない職員の場合は、最終の確認をする税理士の名前を聞いておく。
資格のない職員が日々のやり取りを担当すること自体は、多くの事務所で一般的な体制です。問題になるのは、誰が責任を持つ税理士なのかを聞いても答えがない場合です。この点は契約の前にはっきりさせておいてください。
あわせて、国税庁のサイトでは税理士・税理士法人に対する懲戒処分の公告も公開されています。気になる場合には確かめられる仕組みがある、と覚えておくだけで十分です。口コミの真偽を追いかけるより、登録と処分の公表という公的な情報を先に見るほうが確実です。
評判の確かめ方と料金表の読み方は、スタートアップ向け税理士法人の料金表と評判の読み方で詳しく比較しています。
契約の前に確かめる7つの質問

ここまでの4つの行動は、契約の前の面談でもある程度確かめられます。同じ質問を3つほどの事務所に投げて、答え方を比較するのが、会社設立の前後でいちばん確かな見極め方です。
面談で聞く7つの質問
- メールやチャットの返事は、何営業日以内が目安ですか。急ぎのときはどう連絡すればよいですか。
- 日々の担当はどなたですか。税理士の資格をお持ちですか。最終の確認はどなたがしますか。
- 青色申告の承認申請など、設立直後の届出は誰がいつまでに出しますか。
- 顧問料に含まれる業務と、別料金になる業務を書面でいただけますか。
- 決算料、記帳代行、年末調整などのスポット費用はいくらですか。税込ですか、税抜ですか。
- 契約期間と自動更新、解約の予告期間と違約金はどうなっていますか。
- 解約したとき、帳簿や申告書のデータはどの形で返してもらえますか。
答えの中身だけでなく、質問をどう受け止めるかも見てください。どの質問にも書面や具体的な数字で答えようとする事務所は、契約後のやり取りも同じ調子で進むことが多いものです。
国税庁の「税理士をお探しの方へ」のページでも、日本税理士会連合会のホームページで税理士を探せることが案内されています。探す入口を2つ以上使い、候補を3つに絞ってから面談に臨むのがおすすめです。面談のほかの観点は、会社設立に強い税理士の選び方で比較しています。
契約したあとに見直す判断の目安と、替える時期

契約したあとに「合わない」と感じたら、すぐに替えるより、まず具体的な行動を伝えて、改善されるかを見るのが順番です。会社設立の1年目は、替えるだけでも引き継ぎの手間がかかるからです。

替えると決めたら、時期を選びます。決算の直前に替えると、新しい税理士が1年分の帳簿を短い期間で読み込むことになり、費用も手間も増えます。最初の決算と申告が終わったあとに替えるのが、いちばん負担の少ないタイミングです。
引き継ぎで受け取っておきたいのは、帳簿のデータ、決算書と申告書の控え、税務署に出した届出の控え、そして会計ソフトのアカウントの扱いです。契約書に解約時の資料の返却が書かれていれば、話はスムーズに進みます。会計ソフトを会社名義で契約しておくと、税理士を替えてもデータが手元に残るのでおすすめです。
なお、不正が疑われるなど深刻な事情がある場合は、所属する税理士会や国税庁の案内を確認してください。国税庁は懲戒処分の考え方と処分の公告をサイトで公開しています。
まとめ|税理士は人柄ではなく、4つの行動で比較する

会社設立の直後に避けたい税理士の対応を、4つの行動に分けて見てきました。最後に要点を並べておきます。
この記事で押さえたこと
- ✓設立直後は期限が集中する時期。不安の理由が時期なのか、対応なのかを分けて考える。
- ✓連絡は返事の目安と窓口を契約前に決める。決めた目安が守られるかで判断する。
- ✓期限は青色申告の承認申請をとくに確かめる。聞いたときに即座に答えられるかを見る。
- ✓説明は結論より理由。見積もりの内訳と解約の条件は書面でもらう。
- ✓登録は税理士情報検索サイトで確かめる。替えるなら最初の決算のあと。
期限や手続きは2026年10月時点で国税庁の案内などで確認できたものです。制度は変わることがあるので、実際の手続きの前に最新の案内を確認してください。個別の判断が必要な点は、税理士または税務署にご相談ください。
会社設立のあとの税務を誰に任せるか迷っている方は、無料の相談で対応の範囲と費用の内訳を聞いてみてください。
無料で相談してみる※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
出典国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
不安を感じたら、まず「行動」を書き出してみてください
税理士への不満は、相性や人柄の話になりがちです。けれど、返事に何日かかったか、どの期限を案内されなかったか、見積書や契約書があるか、と行動に分けて書き出すと、話し合うべきことがはっきりします。
書き出した内容は、そのまま担当の税理士に伝えて構いません。改善されるなら続ければよく、変わらないなら、最初の決算が終わった時期に替えることを考える。会社設立の1年目は、その判断で十分間に合います。
これから契約する人は、この記事の質問を3つほどの事務所に同じように投げて、答え方を比較してみてください。会社設立のあとに長く付き合う相手を選ぶいちばんの近道は、急がずに比べることです。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
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