この記事は「会社設立したばかりで、会計ソフトにはできるだけお金をかけたくない」小規模法人の人に向けたものです
会社設立の直後は、登録免許税や定款の費用を払ったばかりで、毎月の固定費はなるべく増やしたくないものです。「会計ソフト 小規模法人 無料」と調べる人が多いのは、そのためでしょう。
ただ、会計ソフトの「無料」には、一定期間だけ無料で試せるもの、機能を絞って無料で使い続けられるものなど、いくつかの種類があります。どの「無料」なのかを読み違えると、決算の直前になって決算書が出せない、ということも起こります。
この記事では、法人向けのクラウド会計ソフト3社の無料体験と、無料版のある会計ソフトの例を取り上げ、仕訳・決算書・申告書・サポート・データの保存の5つの点で、無料の範囲を比較します。条件は2026年10月に各社の公式ページで確認した表示だけを書きました。
本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。比較の順番や書き方は、提携の有無で変えていません。
この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
会計ソフトの「無料」には3つの種類がある

会計ソフトの料金ページに出てくる「無料」は、大きく3つに分けられます。同じ言葉でも中身が違うので、まずどれに当たるかを見分けるところから始めるのがおすすめです。
会社設立したばかりの小規模法人が「ずっと無料」を期待して調べると、見つかるのは大半が無料体験で、期間が過ぎれば有料になるという結果になりがちです。法人向けで期間の制限のない無料版を出している製品は、2026年10月に調べた範囲では多くありませんでした。

この記事では、まず無料体験を3社で比較し、そのあと無料版の例を見ていきます。会計ソフト全体の料金の比較は、会社設立 おすすめ 会計ソフトのカテゴリーページにまとめています。
法人向け3社の無料体験の期間と条件を比較する

法人向けのクラウド会計ソフトの主要3社は、いずれも無料体験を用意しています。期間の長さだけでなく、カードの登録が要るか、体験が終わったあと自動で有料に移るかも、あわせて比較しておきたい点です。
| サービス | 期間 | カード登録 | 終了後の扱い | 体験中の制限 |
|---|---|---|---|---|
| freee会計(法人) | 30日間 | 不要と表示 | 自動で決済されることはないと表示 | 料金ページには記載なし |
| マネーフォワード クラウド会計 | 1か月 | 不要と表示 | 自動で有料に移ることはないと表示。データは引き継ぎ | 一部使えない機能があると表示 |
| 弥生会計 Next | 最大2か月(1事業者1回) | 料金ページには記載なし | 自動で請求は発生しないと表示。データは引き継ぎ | 決算書の作成・出力は使えない。電話サポート・仕訳相談は対象外 |
3社とも、体験が終わっても勝手に料金がかかる形ではない、と案内しています。安心して試せる一方で、体験の期間が過ぎたら帳簿の入力を続けられなくなるので、どこで本契約にするかは決めておく必要があります。
マネーフォワードと弥生は、体験中に作ったデータを有料の契約に引き継げると表示しています。体験期間に入れた仕訳を無駄にせず、そのまま本契約に進めるのは、会社設立の直後に使ううえで大きな利点です。freeeのデータの扱いは料金ページからは読み取れなかったので、試す前に確かめてください。

出典マネーフォワード「マネーフォワード クラウド会計 料金プラン」
無料体験では決算書が出せないことがある

無料体験でとくに注意したいのが、決算書の扱いです。弥生会計 Nextの料金ページでは、無料体験プランはベーシックプラス相当の機能が使える一方で、決算書の作成・出力は利用不可と表示されていました。
これは、決算の時期にだけ無料体験を使って決算書を出す、という使い方ができないということです。無料体験は、ソフトを比較して選ぶためのものと割り切って使うのがおすすめです。
無料体験の期間中に試しておきたいこと
- ✓法人口座の明細を取り込み、自動で仕訳の候補が出るかを見る
- ✓法人カードの利用明細を取り込めるかを見る
- ✓領収書をスマホで撮って取り込めるかを見る
- ✓1か月分の仕訳を入れて、試算表の画面が読みやすいかを見る
- ✓分からないときに、どの窓口で質問できるかを確かめる
マネーフォワードの料金ページでも、トライアル期間中は一部使えない機能があると書かれていました。どの機能が使えないかは別のページで案内されています。体験期間で確かめたい機能が、体験中に使えるものかどうかを先に見ておくと、期間を無駄にしません。
体験は1事業者1回と決まっているものもあります。会社設立の前に個人で試してしまうと、法人で試せなくなるかどうかは各社の条件次第です。法人口座ができてから始めるのが、いちばん中身のある試し方です。
ずっと無料の会計ソフトでできること・できないこと

会社設立のあとも期間の制限なく無料で使える会計ソフトもあります。例として、無料版を公開しているフリーウェイ経理Liteの公式ページを見ると、2026年10月時点で無料版と有料版の違いが表で示されていました。
| 項目 | 無料版 | 有料版(企業版) |
|---|---|---|
| 利用料 | 無料・利用期間は無制限 | 月額3,000円/年間36,000円(税抜)。1年ごとの更新 |
| 登録できるデータ数 | 1 | 1 |
| データの保存場所 | パソコン内 | インターネット上とパソコン内 |
| 決算書 | あり(勘定式) | あり |
| 自動仕訳 | なし | あり |
| 操作サポート | なし | あり |
無料版でも勘定式の決算書が作れる、というのは小規模法人にとって大きな点です。一方で、口座の明細から仕訳を作る自動仕訳はなく、操作のサポートもありません。公式ページでは、利用はWindowsのパソコンのみで、Macには対応していないとも案内されていました。
データの保存場所がパソコン内という点も見ておきたいところです。パソコンが壊れたときにデータが失われないよう、自分でバックアップを取る必要があります。クラウドの会計ソフトとは、ここが大きく違います。会社設立の1年目から、バックアップの手順を決めておいてください。
無料版は、簿記の知識があって、取引が少なく、仕訳を手で入れることに抵抗がない人には選択肢になります。逆に、会社設立をして初めて帳簿をつける人には、自動仕訳とサポートのある有料のクラウド会計ソフトのほうがおすすめです。パソコンの選び方は会社設立 おすすめ パソコンのカテゴリーで比較しています。
出典フリーウェイジャパン「無料の会計ソフト「フリーウェイ」」
決算書と申告書|無料の範囲で決算まで通せるか

会計ソフトを無料で使うときにいちばん大事なのは、1年分の帳簿を最後に決算書と申告書にまとめられるかどうかです。法人税の確定申告書は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に出す必要があります。

フリーウェイ経理Liteの公式ページでは、青色申告・白色申告の機能はない一方で、e-Tax用の財務諸表のファイルを出力できると案内されていました。決算書は作れても、法人税の申告書は別に用意することになります。
有料のクラウド会計ソフトでも、申告書は別の製品になっていることがあります。たとえばfreeeは、freee申告を別に購入すると法人税申告書まで作成できると料金ページで案内しています。会計ソフトが無料か有料かとは別に、申告をどうするかは決めておく必要があるということです。
申告を税理士に頼むなら、税理士が受け取れる形で帳簿を渡せるかが大事になります。無料版を使う場合は、データの書き出しの形式を税理士に確かめておくのがおすすめです。一人法人で申告まで見据えた選び方は、1人法人で会計ソフトはどれがいいかで比較しています。
出典国税庁「C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)」
電子帳簿保存法とデータの保存場所

無料の会計ソフトを選ぶときに見落としやすいのが、電子帳簿保存法への対応です。国税庁の電子帳簿等保存制度の特設サイトでは、法人は、メールやWebで受け取った請求書などの電子取引のデータを保存する必要があることが案内されています。
クラウドの会計ソフトの多くは、領収書や請求書のデータを取り込んで保存する機能を持っています。無料版や無料体験でこの機能がどこまで使えるかは、製品ごとに違います。会計ソフトとは別に、電子取引のデータをフォルダで整理して保存する方法もあります。
4つ目の点は、会社設立の直後に無料で始めて、あとで有料に乗り換えるときに効いてきます。無料版から別の製品に乗り換えるとき、過去のデータを書き出せるか、書き出したデータを新しいソフトで取り込めるかは、始める前に確かめておくと安心です。
電子帳簿保存法の細かな要件は、国税庁の特設サイトで最新の案内を確認してください。会計ソフトの機能だけで足りるか迷う場合は、税理士に相談するのがおすすめです。
サポートと乗り換えの手間も「無料の代わりに払うもの」

無料で使える範囲が広くても、困ったときに質問できる窓口がないことがあります。フリーウェイ経理Liteの公式ページには、無料版では操作サポートサービスを利用できないと明記されていました。使えるのはAIのチャットサポートやよくある質問、マニュアル、解説動画です。
有料のプランでも、会社設立したばかりの法人が選びやすい入門のプランは、サポートが絞られていることがあります。2026年10月時点の表示では、freee会計のひとり法人プランには電話サポートがついていない、弥生会計 Nextの有人のメール・チャットサポートはベーシック以上、と各社のページに書かれていました。安いプランほど、自分で調べて解決する前提と考えておくとよいでしょう。

無料版で1年目を乗り切り、2年目から有料のソフトに移る、という考え方もあります。その場合は、年の途中で乗り換えず、決算が終わった区切りで移るのがおすすめです。期の途中で移ると、1年分の帳簿が2つのソフトに分かれてしまいます。
個人事業主のときのソフトを法人で使えるか、という疑問は、会計ソフトのカテゴリーページで取り上げています。法人向けと個人向けでは、多くの場合で別の契約になります。
出典freee「新設法人向けクラウド会計ソフト freee会計」
会社設立の直後に無料体験を使う段取り

無料体験は、いつ始めるかで得られるものが変わります。会社設立の登記が終わり、法人口座ができたタイミングで始めると、実際の明細で試せるので、比較の中身が濃くなります。

もうひとつ意識しておきたいのが、青色申告の承認申請です。会社設立の直後に出すこの届出は、帳簿をきちんとつけることが前提になっています。会計ソフトを早めに決めて記帳を始めておけば、青色申告の準備も同時に進みます。
2社を同じ明細で比較すると、自動で出る仕訳の候補の精度や、画面の見やすさの違いがよく分かります。比較表では分からない差なので、無料体験はこの比較に使うのがいちばんおすすめです。記帳の始め方の段取りは、設立初年度の記帳を自分でやるならで順に並べています。
まとめ|無料の条件を読み、決算まで通せるかで比べる

小規模法人が会計ソフトを無料でどこまで使えるかを、公式の表示をもとに見てきました。最後に要点を並べておきます。
この記事で押さえたこと
- 会計ソフトの無料には、無料体験・無料版・初期費用0円の3種類がある。
- 法人向けの主要3社は無料体験が中心。期間は30日から最大2か月。自動で有料には移らないと案内。
- 弥生会計 Nextの無料体験では決算書の作成・出力ができない。体験は比較のために使う。
- 期間の制限のない無料版もあるが、自動仕訳・サポート・保存先などに制限がある。
- 無料かどうかより、決算書と申告書まで通せるか、データを書き出せるかで比べる。
条件は2026年10月時点で各社の公式サイトに表示されていたものです。無料体験の期間や条件はキャンペーンなどで変わることがあるので、始める前に最新の表示を確認してください。申告の方法はe-Taxの案内もあわせて確認し、税務の判断が必要な点は税理士または税務署にご相談ください。
会社設立のあとの経理を、費用を抑えてどう回すか相談したい方は、無料の相談から始めてみてください。
無料で相談してみる※ 弊社調べによるものです。掲載内容および順位は定期的に変わります。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
「無料かどうか」より「決算まで通せるかどうか」で選んでください
会社設立の直後に会計ソフト代を節約したい気持ちは自然です。けれど、1年分の帳簿を最後に決算書と申告書にまとめられなければ、どこかでお金か時間を払うことになります。
おすすめは、無料体験の期間を会社設立の直後に使って2社ほど試し、決算まで通せるプランを年払いで契約することです。どうしても無料版で始めたいなら、決算書の作成と申告の段取りを先に決めておいてください。
無料の範囲を正しく知っておけば、迷う時間は短くなります。浮いた時間は本業に使ってください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
- PRONIアイミツ SaaS|無料で使える会計ソフト
無料プランや無料期間のある会計ソフトを集め、エクセル管理からの移り方とあわせて紹介。
saas.imitsu.jp - アスピック|無料で使える会計ソフト比較
無料で使える会計ソフトを、利用条件や制限とあわせて比較しているSaaS比較サイトの記事。
aspicjapan.org - PRONIアイミツ SaaS|小規模企業へ導入実績がある会計ソフト
小規模企業での導入実績がある会計ソフトを、特徴とあわせて一覧にしたページ。
saas.imitsu.jp - freee|会計ソフトの比較ポイント(法人・中小企業)
法人や中小企業が会計ソフトを導入するときに確かめたい点を、会計ソフト会社が整理した記事。
freee.co.jp - フリーウェイジャパン|無料の会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」
無料版と有料版(企業版)の違い、データ数・保存先・操作サポートの有無を公式に案内しているページ。
freeway-keiri.com - ITトレンド|フリーウェイ経理Liteの価格・料金プラン
無料版のある会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」の料金プランを、比較サイトの形式でまとめたページ。
it-trend.jp - お名前.com ビジネス|無料の会計ソフトと有料版の違い
無料の会計ソフトと有料版の違いと、事業の成長段階に合わせた選び方を説明している記事。
onamae.com - BOXIL Magazine|法人で使える無料の会計ソフト
法人で使える無料の会計ソフトと、電子帳簿保存法への対応状況を解説した記事
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