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法人口座をネット銀行にするデメリット|窓口・現金・融資・取引先・審査の5点と、地方銀行・信用金庫・メガバンクとの使い分け

会社設立のあと法人口座をネット銀行だけにして困ることはあるのか。窓口がない、現金の扱い、融資や信用、取引先の都合、審査の5点を、2026年10月の公式表示で確かめながら比較し、地方銀行・信用金庫・メガバンクとの使い分けのおすすめの考え方をま…

  • 公開 2026年10月17日
  • 更新 2026年10月17日
  • 読了めやす 約12分
  • 本文 約7,721字
法人口座をネット銀行にするデメリット|窓口・現金・融資・取引先・審査の5点と、地方銀行・信用金庫・メガバンクとの使い分け|会社設立のおすすめ比較
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この記事は「法人口座はネット銀行1つで済ませたい。でも、あとで困ることがないか確かめておきたい」人に向けたものです

会社設立のあと、手数料が低くWebで申し込めるネット銀行を法人口座の候補にする人は多いと思います。一方で「ネット銀行だと融資が受けにくい」「取引先に嫌がられる」といった話も耳にします。どこまで本当で、自分の会社に当てはまるのかが分からないと、決めきれません。

この記事では、ネット銀行のデメリットとしてよく挙がる5つの点を、各行の公式ページの表示や公的な資料で確かめながら整理します。デメリットがあるかどうかではなく、自社の使い方で重いかどうかを判断できるように書いています。

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この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。

法人口座をネット銀行にするデメリットを、先に5つ並べて比較する

法人口座をネット銀行にするデメリットを5つに整理したイラスト

「法人口座 ネット銀行 デメリット」で調べると、いろいろな注意点が出てきます。重なりを整理すると、だいたい次の5つにまとまります。

5つのデメリット
ネット銀行の法人口座でよく挙がるデメリットと、重くなりやすい会社(2026年10月時点の一般的な整理。銀行ごとに異なります)。

ここで大事なのは、5つ全部が自分に当てはまる会社は少ないということです。たとえばWeb制作やコンサルティングのように、売上が振込で入り、現金をほとんど扱わない会社なら、2つ目はほぼ関係ありません。

ネット銀行がどれも同じというわけでもありません。ドコモSMTBネット銀行の法人のページは、WEBから24時間申し込めること、来店不要であること、デビットカードが付くことを案内しています。こうした便利さの裏側に何があるかを、次の章から一つずつ見ていきます。

ネット銀行のおすすめを手数料や申込み方法で比較したい人は、法人口座のネット銀行おすすめを観点別に比較を先に読むと、ここで扱うデメリットとの釣り合いが取りやすくなります。会社設立のあとの銀行選びの全体像は会社設立で選ぶ銀行の比較にまとめています。

出典ドコモSMTBネット銀行「法人のお客さま」

窓口がない|相談と手続きの経路がWebと電話・メールに限られる

ネット銀行には窓口がないことを示したイラスト

ネット銀行には、ふだん通う支店がありません。申込みも、住所や代表者の変更も、困ったときの問い合わせも、Webの画面か電話・メールが中心になります。

メガバンクがWeb専用で出している口座も同じ考え方です。三井住友銀行のTrunkは、店舗では申し込めずWebから申し込む形で、個人事業主や法人格のない団体など対象外の事業者は店舗での口座開設を案内しています。窓口を使わないことを前提にした口座が増えている、と見るのが近いでしょう。

困りやすい場面資金繰りや事業の相談を、担当者と顔を合わせて話したいとき。書類の書き方を窓口で確かめながら進めたいとき。
困りにくい場面振込や残高の確認が中心で、手続きを画面で済ませることに抵抗がないとき。問い合わせが少ないとき。
手続きの例本店の移転や代表者の変更など、登記の内容が変わったときの届出。Webや郵送での手続きになることが多い。
確かめること問い合わせの受付時間と方法、変更の届出のやり方を、申し込む前に公式ページで見ておく。

会社設立の直後は、届出や手続きが続きます。窓口がないことを不便と感じるかどうかは、画面と書類だけで手続きを進められるかにかかっています。不安がある人は、相談のための口座を別に持つという考え方もあります(最後の使い分けの章で比較します)。

なお、窓口がないことは、裏返せば平日の日中に銀行へ行かなくて済むということでもあります。会社員を続けながら会社設立をする人や、一人で全部を回す人には、こちらのほうが大きな利点になることもあります。

出典三井住友銀行「法人口座 Trunk(トランク)」

現金の扱い|入金も引出しも提携ATMで、1回ごとに手数料がかかる

ネット銀行で現金を扱うときのATM手数料を示したイラスト

ネット銀行で現金を扱うときは、コンビニなどの提携ATMを使います。公式ページの料金を見ると、入金にも手数料がかかるところがあるのが、店舗型の銀行との違いです。

法人口座の提携ATM手数料(税込。2026年10月17日に各行の料金ページで確認)
銀行入金(預入れ)出金(引出し)補足
GMOあおぞらネット銀行1回110円1回110円振込料金とくとく会員(月額500円)は出金が月5回まで無料
ドコモSMTBネット銀行110円110円ゆうちょ銀行のATMは330円
ATM手数料の月の試算
売上の一部を現金で受け取る会社が、提携ATMで月8回入金し、4回引き出す場合の試算(GMOあおぞらネット銀行の2026年10月の表示、会員なしで計算)。

月に1,320円なら大きな額ではない、と感じる人もいるでしょう。ただ、飲食や小売のように毎日の売上を入金する業種では、回数が一気に増えます。1日1回の入金で月20回なら、それだけで2,200円です。加えて、ATMで扱える金額や硬貨の扱いは機械や提携先によって違うので、売上の現金をどう入れるか、釣り銭の両替をどこでするかも、申し込む前に考えておく必要があります。

現金を多く扱う会社は、現金の入金用に地元の金融機関の口座を持ち、支払いの振込はネット銀行で、という分け方がおすすめです。逆に、現金をほとんど扱わない会社なら、このデメリットはほぼ気にしなくて構いません。

日々の支払いを法人カードや振込に寄せて、現金の出入りそのものを減らすやり方もあります。カード、振込、請求の流れをどうつなぐかは法人口座と一緒に整えておく決済まわりで比較しています。

出典ドコモSMTBネット銀行「手数料・金利 | 法人のお客さま」

融資や信用の面|相談相手としての関係を作りにくい

ネット銀行と融資・信用の関係を示したイラスト

ネット銀行のデメリットとして、もっともよく挙げられるのが融資の面です。ただし「ネット銀行では融資を受けられない」と言い切るのは正確ではありません。GMOあおぞらネット銀行の法人口座の案内には、freeeや弥生の利用者向けのビジネスローンとの連携が載っています。

問題になりやすいのは、創業期にまとまった額の融資を相談する相手として、ネット銀行が選択肢に入りにくいことです。会社設立のときの融資は、日本政策金融公庫や、地域の金融機関に相談するのが一般的です。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人を対象に、融資限度額7,200万円と案内されています(2026年10月確認)。

口座の役割で比べる
法人口座の役割で見た、ネット銀行と地域の金融機関の違い(2026年10月時点の一般的な傾向。個別の金融機関で異なります)。

法人口座での入出金の記録は、融資を申し込むときに事業の実態を示す材料になることがあります。その点で、会社のお金と個人のお金を早く分けることは、どの銀行を選ぶ場合でも意味があります。

創業融資を考えているなら、ネット銀行とは別に、相談できる金融機関との接点を早めに作っておくのがおすすめです。公庫の融資の申込み方や、会社設立と同時に申し込むときの段取りは会社設立と同時に使える創業融資で比較しています。

出典日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

取引先の都合|振込先の見え方や、引落し口座の指定

取引先から見たネット銀行の法人口座を示したイラスト

「ネット銀行の口座だと取引先に嫌がられる」という話を聞くことがあります。まず押さえておきたいのは、振込の仕組みそのものはネット銀行も同じだということです。全国銀行資金決済ネットワークの説明では、全銀システムには国内のほぼ全ての金融機関が参加しており、平日夜間や土日祝日の振込もモアタイムシステムで扱われています。

そのうえで、取引先の側の事情で困る場面はありえます。たとえば次のようなものです。

取引先の都合で困りやすい場面

  • 大きな会社と取引を始めるとき、支払先の登録で口座の名義や金融機関を確かめられる
  • 家賃や保証会社、リース会社などの引落し口座に、使える金融機関の指定がある
  • 地域の取引先との付き合いで、同じ地元の金融機関の口座を求められる

どれも、ネット銀行だから一律に断られるという話ではありません。どの金融機関が使えるかは、相手の会社や契約ごとに決まっているので、取引を始める前に一言確かめるのが確実な方法です。引落し口座に指定があれば、その用途だけ別の口座を使えば足ります。

取引先からの見え方を気にするなら、口座の名義(会社名)と、請求書に書く振込先の表記をそろえておくことのほうが大事です。会社設立の直後は、請求書のテンプレート、Webサイト、名刺の会社名の表記を一度そろえておくと、確認の手間が減ります。

出典全国銀行資金決済ネットワーク「全銀システムとは」

審査と開設までの日数|Webで申し込めても、確認はしっかり入る

ネット銀行の法人口座の審査と日数を示したイラスト

ネット銀行はWebで申し込めるぶん、審査も簡単だと思われがちです。実際には、どの金融機関も犯罪収益移転防止法にもとづく取引時の確認をしています。金融庁の案内では、法人の名称と本店の所在地、取引の目的、事業の内容、実質的支配者を確認するとされています。

さらに金融庁は2024年8月23日、警察庁と連名で、法人口座を含む預貯金口座の不正利用を防ぐ対策の強化を金融機関の団体などに要請しました。要請の項目には口座開設時の不正利用防止と実態把握の強化が含まれています。ネット銀行も含めて、口座の申込みでは事業の実態がこれまで以上に見られている、と考えておくのが自然です。

日数が延びやすい要因
ネット銀行の法人口座で、申込みから利用開始までの日数が延びやすい要因(2026年10月時点。各行の公式ページの記載をもとに整理)。

楽天銀行の必要書類のページには、追加書類の提出や電話での内容確認を求める場合がある、と書かれています。「最短即日」「最短翌日」をあてにして取引の開始日を決めると、間に合わないことがあるので、余裕を見ておいてください。

審査で何を見られ、通らなかったときにどう動くかは、法人口座の開設を断られる理由と、審査の前にできることで詳しく比較しています。

出典金融庁「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」

地方銀行・信用金庫・メガバンクとの使い分け|役割で口座を分ける

ネット銀行と地方銀行・信用金庫・メガバンクの使い分けを示したイラスト

ここまでのデメリットのうち、当てはまるものがあった人は、口座を役割で分ける方法を考えてみてください。法人口座を1つに限る決まりはありません。

ネット銀行と組み合わせる金融機関の役割の例(2026年10月時点の一般的な整理)
組み合わせる相手向いている役割気をつける点
地方銀行地域の取引先との入出金、融資の相談営業エリアの外では使いにくいことがある
信用金庫創業期の相談、地元とのつながり、現金の入金取引先は原則として会員。事業地区や事業規模の条件がある
メガバンク大きな取引先との取引、全国の店舗審査に日数がかかることがある。手数料は各行の料金表で確認

信用金庫については、全国信用金庫協会が金融庁の会合に出した資料(平成22年12月)で、定款に定めた狭い事業地区に限られ、取引先は原則として会員(地区内に住所などを置く従業員300人以下または資本金9億円以下の中小企業者や個人など)と説明されています。会社設立したばかりの小さな会社は、地区内に本店や事業所があれば対象になりやすい、ということです。最新の条件は各信用金庫で確かめてください。

役割分担の例
口座の役割分担の例(会社設立の直後、現金の売上が一部ある会社を想定)。

口座を増やすほど、残高の確認や記帳の手間は増えます。最初はネット銀行1つ、必要な役割が出てきたら1つ足すくらいの順番が、会社設立の直後には扱いやすいはずです。手数料・使いやすさ・融資の3つの軸での組み合わせ方は法人口座をどこに開くかで比較しています。

出典全国信用金庫協会(金融庁 掲載資料)「「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」について(平成22年12月15日)」

まとめ|ネット銀行のデメリットは、自社に当てはまるものだけ手当てする

法人口座をネット銀行にするデメリットのまとめイラスト

法人口座をネット銀行にするデメリットは、窓口、現金、融資や信用、取引先の都合、審査と日数の5つに整理できます。会社設立のおすすめの進め方は、このうち自社に当てはまるものだけを手当てすることです。

この記事で押さえたこと

  • 窓口がないぶん、手続きはWebと郵送・電話が中心。平日に銀行へ行かなくて済む利点もある
  • 現金は提携ATMで、入金にも1回110円かかる銀行がある(2026年10月の表示)
  • ネット銀行でも融資の商品はあるが、創業期の相談先は別に持っておくと安心
  • 振込の仕組みは全銀システムで共通。困るのは、取引先が金融機関を指定する場面
  • Webで申し込めても審査はある。「最短」をあてにしない

手数料や申込み方法をもう一度見比べたい人は法人口座のネット銀行おすすめを観点別に比較へ戻ってください。

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金額と条件は2026年10月17日に各行の公式ページで確認した表示です。手数料や取扱いは変わることがあり、口座を開けるかどうかは各金融機関の審査で決まります。申し込む前に、最新の表示を各行でご確認ください。

出典GMOあおぞらネット銀行「手数料 | はじめての方へ | 法人口座の開設」

ネット銀行の弱いところは、もう1つの口座で埋められることが多いです

現金の入金が多い、創業融資を考えている、取引先に地元の企業が多い。当てはまる点があっても、ネット銀行をやめる理由になるとは限りません。足りない役割だけを、地方銀行や信用金庫の口座に持たせればよいからです。

反対に、どれにも当てはまらないなら、まずはネット銀行1つで始めて、必要になってから口座を足しても遅くはありません。

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この記事の編集体制 合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。各サービスの料金・条件は、公式サイトの表示を確認できた範囲のみ掲載しています。
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