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個人事業主のときのパソコンを会社設立後も使うか買い替えるか|OSの期限・性能・公私の分け方で比較

個人事業主のときから使っているパソコンを、会社設立のあとも使い続けるか買い替えるか。性能、Windows 10のESUやWindows 11の要件、Macの対応機種、業務と私用の分け方、情報セキュリティの4つの点で比較し、おすすめの判断の順…

  • 公開 2026年10月17日
  • 更新 2026年10月17日
  • 読了めやす 約13分
  • 本文 約8,696字

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この記事は「個人事業主のころから使っているパソコンを、会社設立のあとも使っていいのか迷っている」人に向けたものです

個人で仕事をしていたころの1台は、仕事の資料も家族の写真も同じところに入っている、ということがよくあります。会社設立を機に、そのパソコンをそのまま会社の仕事に使うか、新しく買い替えるかで手が止まる人は少なくありません。

「個人事業主 パソコン おすすめ」で調べると、新しく買う機種の話がたくさん出てきます。けれども、いま手元にある1台が会社の仕事にも耐えられるかどうかを先に確かめたほうが、無駄な出費を避けられます。

この記事では、性能、OSのサポート期限、業務と私用の分け方、情報セキュリティの4つの点で、使い続ける場合と買い替える場合を比較します。数字や期限は2026年10月時点でMicrosoft・Apple・国税庁・法務省・総務省の公式ページに表示されていたものです。パソコンの経費や税金の扱いは別の記事に任せ、ここでは判断の材料に絞ります。

この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。

個人事業主のときのパソコンを会社でも使うか、4つの点で比較する

個人事業主のときのパソコンを会社設立後も使うかどうかを4つの点で比較したイラスト

個人で仕事をしていたときのパソコンを、会社設立のあとも使い続けること自体に問題はありません。大事なのは「会社の仕事に必要な条件を、今の1台が満たしているか」です。

会社設立のあとは、個人事業主のときにはなかった作業が加わります。法人の申告をe-Taxで出す、役員の変更などの登記をオンラインで申請する、会社の口座と会計ソフトをつなぐ、といった作業です。国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)のパソコンでの推奨環境として、2026年10月時点でWindows 11と、macOS 13からmacOS 26を挙げています。

使い続けるか、買い替えるか
個人事業主のときのパソコンを使い続ける場合と買い替える場合の比較(一般的な傾向)。

比較の軸は4つです。1つ目は性能、2つ目はOSのサポート期限、3つ目は業務と私用の分け方、4つ目は情報セキュリティ。4つのうち1つでも条件を満たせないなら、その点だけを手当てするか、買い替えを考えるという順番がおすすめです。

新しく買う場合の選び方そのものは、会社設立の直後に用意するパソコンの選び方で詳しく比較しています。パソコンの記事の全体は、会社設立 おすすめ パソコンのカテゴリーにまとめています。

出典国税庁「e-Taxソフト(WEB版)のご利用に当たって【パソコン】」

性能|会社設立のあとに増える作業を、今のパソコンでこなせるか

会社設立のあとに増える作業と必要な性能を示したイラスト

個人事業主のころは、メールと請求書と確定申告くらいで足りていたパソコンでも、会社設立のあとは同時に開くソフトが増えます。性能を確かめるいちばん確実な方法は、実際の作業を一度まとめて開いてみることです。

今のパソコンで一度試しておきたい作業

  • 会計ソフトを開いたまま、ブラウザのタブを10枚ほど開く
  • オンライン会議をつなぎながら、PDFの請求書を開く
  • e-TaxのWEB版にログインして画面を動かしてみる
  • 登記を自分で申請するなら、申請用総合ソフトを入れてみる
  • マイナンバーカードの読み取り(カードリーダーやスマートフォン)を試す

法務省の登記・供託オンライン申請システムは、申請用総合ソフトの推奨環境を、2026年10月時点でWindows 11、メモリ1GB以上、空き容量300MB以上としています。数字だけを見ると低く感じますが、これはソフトひとつ分の下限で、ほかの作業と同時に使う余裕は含まれていません。

動きが遅くても、原因が保存容量の不足や起動時に立ち上がるアプリの多さなら、整理するだけで改善することがあります。反対に、メモリが少なく後から増やせない機種や、ファンが常に回り続ける古い機種は、会社の仕事を毎日任せるには心もとないでしょう。

迷ったときは、試した作業のうち「待たされてつらい」と感じたものの数で比較するのがおすすめです。ひとつだけなら設定の見直しで、いくつも当てはまるなら買い替えを考える、という目安にすると判断が速くなります。

出典法務省「ご利用環境|登記・供託オンライン申請システム」

OSのサポート期限|Windows 10のESUは2027年10月12日まで

Windows 10のサポート終了と拡張セキュリティ更新の期限を示したイラスト

個人事業主のころに買ったパソコンが、まだWindows 10で動いているなら、会社設立のあとに使い続けられるかは期限で決まります。Microsoftは、Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了したと案内しています。

ただし個人向けには、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)という延長の仕組みがあります。MicrosoftのESUのページでは、プログラムの終了は2027年10月12日とされています(2026年10月時点の表示)。それまでの間はいつでも登録できる、と書かれています。

Windows 10を使い続けられる期限
Windows 10の期限の流れ(2026年10月時点のMicrosoftの表示をもとに作成)。
対象
Windows 10 バージョン22H2のHome・Professional・Pro Education・Workstations
費用
設定の同期で追加費用なし、Microsoft Rewardsの1,000ポイント、または30米ドル相当の1回払い(現地通貨と税)
対象外
Active DirectoryやMicrosoft Entraに参加したデバイス、MDMに登録したデバイスなど
届く更新
緊急・重要のセキュリティ更新のみ。機能の追加や技術サポートはない

会社設立のあとで気を付けたいのは「対象外」の行です。会社の端末として管理の仕組みに登録すると、ESUの対象から外れる場合があります。ESUは移るまでの時間を稼ぐための仕組みと考え、会社の仕事を任せる1台は、期限までにWindows 11へ移す計画を立てておくのがおすすめです。

国税庁のe-Taxも法務省の登記のシステムも、サポートが終了したOSは推奨環境の外としています。期限の比較をするときは、「更新が届くか」と「申請の推奨環境に入っているか」を分けて考えてください。

出典Microsoft「Windows 10 拡張セキュリティ更新プログラム」

Windows 11に上げられるか|システム要件と確かめ方

Windows 11のシステム要件と確かめ方を示したイラスト

Windows 10のパソコンを会社設立のあとも使うなら、次に確かめるのはWindows 11に上げられるかどうかです。上げられるなら使い続ける選択肢が残り、上げられないなら買い替えの時期を決めることになります。

Windows 11の最小システム要件(2026年10月時点のMicrosoftの表示)
項目要件個人事業主のころの機種で引っかかりやすい点
プロセッサ1GHz以上・2コア以上の64ビット互換プロセッサ対応していない古い世代のCPUがある
メモリ4GB4GBちょうどだと仕事では余裕がない
ストレージ64GB以上空きが少ないと更新が入らない
ファームウェアUEFI・セキュアブート対応設定で無効になっていることがある
TPMバージョン2.0古い機種では非対応のことがある

Microsoftは、Windows 10のパソコンならPC正常性チェックアプリで互換性を確かめられると案内しています。ただしグラフィックスとディスプレイは確認の対象外とされています。アプリで「要件を満たしています」と出れば、使い続ける候補に残せます。

要件はあくまで下限です。メモリ4GBの機種はWindows 11に上げられても、会計ソフトとブラウザとオンライン会議を同時に使う会社の仕事では、動きが重く感じられるでしょう。メモリを後から増やせる機種かどうかも、あわせて比較しておくのがおすすめです。

要件を満たさない機種に無理に入れる方法も出回っていますが、会社の会計データや取引先の情報を扱う1台には向きません。Microsoftの要件を満たす機種を使うのが、会社設立のあとにおすすめの考え方です。

出典Microsoft「Windows 11 の仕様とシステム要件」

Macを使ってきた人は、対応機種と登記の申請方法を確かめる

個人事業主のころから使っているMacを会社で使い続けるときの確認点を示したイラスト

個人事業主のころからMacで仕事をしてきた人も多いでしょう。Macの場合は、最新のmacOSに対応している機種かどうかを、Appleのサポートページの一覧で確かめます。

Appleの「macOS Tahoe 26に対応しているコンピュータ」の一覧では、2026年10月時点で、MacBook AirはM1(2020)以降、Mac miniはM1(2020)以降が並んでいます。Intel搭載の機種で載っているのは、MacBook Pro(16-inch, 2019)、MacBook Pro(13-inch, 2020, Four Thunderbolt 3 ports)、iMac(Retina 5K, 27-inch, 2020)、Mac Pro(2019)などに限られます。

e-TaxのWEB版は、国税庁の推奨環境にmacOS 13からmacOS 26が入っているので、対応機種のMacなら会社の申告にも使えます。注意が要るのは登記で、法務省の申請用総合ソフトの推奨環境はWindows 11です。

Macを使い続けるときの分かれ目

役員の変更や本店の移転などを自分でオンライン申請するつもりなら、Windowsのパソコンが1台要ります。登記は司法書士に任せる、申告は税理士に任せる、という会社なら、対応機種のMacで困る場面は多くありません。会社設立のあとの手続きを誰が担うかで、比較の結論が変わります。

一覧に載っていない古いMacでも、すぐに動かなくなるわけではありません。ただ、新しいmacOSに上げられない機種は、e-Taxの推奨環境から先に外れていきます。使い続けるなら、買い替えの時期を決めておくのがおすすめです。

出典Apple「macOS Tahoe 26に対応しているコンピュータ」

業務と私用の分け方|アカウント・保存先・支払いを分ける

パソコンの中で業務と私用を分ける方法を示したイラスト

個人事業主のときのパソコンを会社設立のあとも使うなら、いちばん手間がかかるのが業務と私用の切り分けです。会社の情報と家族の写真が同じ場所にある状態は、できるだけ早く解消しておきたいところです。

業務と私用を分けるチェック
1台を会社でも使うときに分けておきたいこと。

Windowsでは、設定の「アカウント」から別のユーザーを追加できます。Microsoftのサポートページは、管理者の数を減らし、日常の作業には標準ユーザーのアカウントを使う方が安全だと案内しています。会社用のアカウントを標準ユーザーで作り、ソフトを入れるときだけ管理者で入る形にすると、うっかりの変更を防げます。

保存先は、会社用のクラウドストレージか、会社用アカウントのフォルダのどちらかに決めます。個人事業主のころの請求書や帳簿のファイルは、個人の分として区切っておくと、会社の分と混ざりません。

支払いも分け方のひとつです。会社設立のあとに買う会計ソフトやクラウドの利用料は、会社の口座やカードから払うようにすると、会社の帳簿に記録が残ります。パソコン本体を会社に移すときの経費や税金の扱いは、会社のパソコンは法人名義で買うか個人で買うかで比較していますので、そちらを参考にしてください。

出典Microsoft「Windows でユーザー アカウントを管理する」

情報セキュリティ|私物のパソコンで会社の情報を扱うときの注意

私物のパソコンで会社の情報を扱うときのセキュリティの注意点を示したイラスト

個人事業主のころのパソコンは、会社設立のあとは「社長の私物」という扱いになることが多いでしょう。私物のパソコンで会社の情報を扱うことには、会社の持ち物とは違うリスクがあります。

総務省の「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」は、個人所有の端末(BYOD)について、端末上にデータを保存できることや、マルウェア対策ソフトなどの導入を強制できないことから、十分なセキュリティの統制が取れないと説明しています。そのうえで、リスクを受け入れられるかを評価してから、使うかどうかを決める必要があるとしています。

暗号化持ち歩くなら、ドライブの暗号化を有効にします。WindowsならBitLockerやデバイスの暗号化、MacならFileVaultです。
更新OSとソフトの更新を止めないことが基本です。期限が切れたOSでは、この前提が崩れます。
家族との共用家族も使うパソコンなら、会社用のアカウントを分け、パスワードを共有しません。
社員が増えたら社員に私物を使わせるなら、ルールを先に決めます。会社の端末を用意するほうが管理しやすくなります。

一人社長の会社なら、自分で決めて自分で守ればよいので、ルールは短くて構いません。ただ、取引先との契約で情報の扱いが決められていることもあります。契約書に端末や保存場所の決まりがないかを一度見ておくと安心です。

持ち出すときの暗号化や紛失したときの手順は、会社用ノートパソコンとデスクトップの比較の記事で詳しく扱っています。私物を使い続けるか、会社用を用意するかの比較の材料にしてください。

出典総務省「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」

使い続けるか買い替えるかの判断表と、買い替えるときの移し方

個人事業主のころのパソコンを使い続けるか買い替えるかの判断表を示したイラスト

ここまでの4つの点を、ひとつの表にまとめます。右の列に当てはまるものが多いほど、会社設立を機に買い替えるほうがおすすめです。

使い続けるか、買い替えるか
個人事業主のころのパソコンを使い続けるか買い替えるかの判断表(筆者の考え方による目安)。

買い替えると決めたら、新しいパソコンへの移し方も決めておきます。IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は、はじめに取り組む対策のひとつに「バックアップを取ろう!」を挙げています。移す前に、会計データ・請求書・契約書のバックアップを別の場所に取るのが最初の一歩です。

買い替えるときの順番

  1. 会社のファイルと個人のファイルを分けて、それぞれバックアップする
  2. 新しいパソコンに会社用のアカウントを作り、会社のファイルだけを移す
  3. 会計ソフト・e-Tax・電子署名の動作を新しいパソコンで確かめる
  4. 古いパソコンのデータを消してから、譲る・売る・処分する

古いパソコンを家族用に残すなら、会社のファイルとログイン情報を消してから渡します。使い続ける場合も買い替える場合も、どちらがおすすめかは手元の1台しだいです。この表を使って比較し、納得できるほうを選んでください。

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出典IPA 独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」

まとめ|個人事業主のころのパソコンは4つの点を比較してから決める

個人事業主のころのパソコンを会社で使い続けるかの判断のまとめイラスト

個人事業主のときから使っているパソコンを、会社設立のあとも使うか買い替えるかについて、判断の材料を比較してきました。要点をまとめます。

この記事で押さえたこと

  • 使い続けるかは、性能・OSの期限・業務と私用の分け方・情報セキュリティの4つで決める。
  • 性能は、会計ソフト・ブラウザ・オンライン会議を同時に開いて確かめる。
  • Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了。ESUのプログラムは2027年10月12日まで。
  • Windows 11の要件はTPM 2.0・メモリ4GB・64GB以上など。PC正常性チェックアプリで確かめる。
  • Macは対応機種の一覧を見る。登記を自分で申請するならWindowsが1台要る。
  • 会社用のアカウントを標準ユーザーで作り、保存先と支払いを分ける。
  • 買い替えるなら、バックアップを取ってから会社のファイルだけを移す。

期限や要件は、2026年10月時点で各公式ページに表示されていたものです。いずれも変わることがあるので、判断の前に最新の表示を確かめてください。会社設立のおすすめの進め方として、パソコンは「今の1台を点検してから決める」と覚えておくと、慌てて買って後悔することが減ります。

出典Microsoft「Windows 10サポートは 2025 年 10 月 14 日に終了しました」

今の1台を点検してから、買うかどうかを決めてください

個人事業主のころのパソコンは、思い入れもあれば中身も詰まっています。OSの期限と要件、仕事に必要な性能、分け方、守り方の4つを一つずつ確かめれば、使い続けるか買い替えるかは自然に決まります。

会社設立の直後は、届出や口座開設など、パソコンより先に片づけたい用事も並びます。点検して問題がなければ、今の1台で会社の仕事を始め、条件に合う次の1台は落ち着いてから選んでも遅くありません。

この記事の判断表を手元のパソコンに当てはめてみて、気になる項目があれば、そこから手を付けてみてください。

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この記事の編集体制 合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。各サービスの料金・条件は、公式サイトの表示を確認できた範囲のみ掲載しています。
記載している金額・期間・制度は2026年10月時点で確認できたものです。制度は変わることがあるため、手続きの前に法務局・公証役場・税務署などの一次情報をあわせてご確認ください。判断に迷う点は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家や所管の官庁にご相談ください。

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