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会社設立の直後に用意するパソコンの選び方|OS・CPU・メモリ・法人向けモデルと保証を比較

会社設立のあとに買う仕事用パソコンを、OS・CPU・メモリ・保存容量・法人向けと個人向けの違い・保証の6つの観点で比較。e-Taxや登記の申請ソフト、会計ソフトの推奨環境から逆算した、おすすめの選び方をまとめました。

  • 公開 2026年10月17日
  • 更新 2026年10月17日
  • 読了めやす 約14分
  • 本文 約9,008字
会社設立の直後に用意するパソコンの選び方|OS・CPU・メモリ・法人向けモデルと保証を比較|会社設立のおすすめ比較
会社設立 おすすめ パソコンの比較記事

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この記事は「会社設立をしたけれど、仕事用のパソコンをどう選べばいいか分からない」人に向けたものです

会社設立の手続きが終わると、すぐに税務署への届出、会計ソフトの設定、請求書の発行が始まります。そのとき手元にあるのが、何年も前に買った私物のパソコンだけ、という人は少なくありません。

家電量販店や通販サイトには「ビジネス向け」「法人向け」と書かれたパソコンが並んでいますが、何がどう違うのかは、売り場の説明だけでは分かりにくいところです。

この記事では製品名のランキングは作りません。代わりに、e-Taxや登記の申請ソフト、会計ソフトが公式に示している推奨環境から逆算して、会社設立の直後に買うパソコンの条件を比較しながら整理します。メーカーの機種選びは、この条件に当てはまるかどうかで判断してください。

この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。

会社設立の直後に使うパソコンは「何をするか」から決める

会社設立の直後にパソコンで行う作業を示したイラスト

パソコンのカタログを見る前に、会社設立のあとにそのパソコンで何をするのかを書き出してください。用途が決まれば、必要な性能は意外なほど絞られます。

設立したばかりの会社で、ほとんどの人が使うのは次の作業です。どれもインターネットにつながったパソコンがあればできますが、作業によっては動作が確認されているOSが決まっています。

会社設立の直後にパソコンで行う主な作業

  • 税務署への届出や法人税の申告(e-Tax)
  • 役員変更などの登記をオンラインで申請する(登記・供託オンライン申請システム)
  • 会計ソフトでの記帳、銀行口座やカードの明細の取り込み
  • 請求書・見積書の作成とPDFでの送付
  • 取引先とのメールやオンライン会議
  • マイナンバーカードを使った電子署名

このうち、パソコンの選び方に大きく関わるのは1つ目、2つ目、6つ目です。国の電子申請は、推奨環境として動作を確認したOSとブラウザを公表しています。たとえば国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)のパソコンでの推奨環境として、2026年10月時点でWindows 11(Microsoft EdgeまたはGoogle Chrome)と、macOS 13からmacOS 26(Safari)を挙げています。

一方で、メールや請求書の作成、オンライン会議は、ほとんどのパソコンでこなせます。性能の高さより、申請や会計のソフトが推奨する環境に入っているかどうかを先に見るのが、会社設立の直後におすすめの順番です。

用途を決めるときのコツ

「誰が」「どこで」使うかも書き添えておくと、ノートかデスクトップかの判断にも使えます。一人社長で外出が多いのか、事務所に据え置いて経理担当が使うのかで、選ぶべき形が変わります。

ノートパソコンとデスクトップの比較は、会社用ノートパソコンとデスクトップの比較で詳しく扱っています。この記事では、形を問わず共通する選び方を見ていきます。パソコンにまつわる記事の全体は、会社設立 おすすめ パソコンのカテゴリーにまとめています。

出典国税庁「e-Taxソフト(WEB版)のご利用に当たって【パソコン】」

OSの選び方|WindowsとMacを会社の手続きの面から比較する

WindowsとMacを会社の手続きの面から比較したイラスト

会社設立の直後に買うパソコンで、いちばん迷うのがOSです。普段の作業ならどちらでも構いませんが、国の電子申請と会計ソフトの推奨環境を並べると、違いがはっきり出ます。

主な手続き・ソフトの推奨環境(2026年10月時点の各公式ページの表示)
手続き・ソフトWindowsMac
e-Taxソフト(WEB版)Windows 11(Edge・Chrome)が推奨環境macOS 13〜26(Safari)が推奨環境
登記の申請用総合ソフトWindows 11が推奨環境(.NET Framework 4.8.1が必要)推奨環境に記載なし
かんたん登記・供託申請(ブラウザ)Windows 11(Edge・Chrome)が推奨環境パソコンの推奨環境はWindows 11のみの記載
マネーフォワード クラウド会計利用を想定(Chrome推奨)利用を想定(Safariは対応ブラウザ)
弥生会計 NextWindows 11最新バージョンより3世代のmacOS

表で目立つのは登記です。法務省の登記・供託オンライン申請システムは、すべての手続を申請できる「申請用総合ソフト」の推奨環境をWindows 11としています。役員の変更や本店の移転を自分でオンライン申請するつもりなら、Windowsのパソコンが1台あると手続きが進めやすくなります。

反対に、登記は司法書士に頼む、申告は税理士に任せる、という会社なら、Macでも困る場面はそれほど多くありません。e-TaxのWEB版も、クラウド型の会計ソフトもMacで使えます。

会社で使うならどちらのOSか
WindowsとMacを会社の手続きの面から比較(2026年10月時点の推奨環境の表示をもとに作成)。

どちらにも共通する注意点があります。国税庁も法務省も、サポートが終了したOSは推奨環境の外としていて、OSには最新の更新を当てるよう求めています。日本語版のOSであることも条件に入っています。

会社設立をしたばかりで、どちらにするか決めきれない場合の比較のおすすめは、「登記を自分でやるかどうか」を基準にすることです。自分でやるならWindows、専門家に任せるなら使い慣れたほう。これで大きく外すことはありません。

出典法務省「ご利用環境|登記・供託オンライン申請システム」

CPU・メモリ・保存容量は「ソフトの最低条件」の2倍を目安に

パソコンのCPU・メモリ・保存容量の目安を示したイラスト

次に性能です。ここで役に立つのが、各ソフトが公表しているシステム要件です。要件は「これより下だと動作を保証しない」という下限なので、実際に使うパソコンは要件より余裕を持たせるのが基本です。

たとえば弥生のクラウドサービス(弥生 Next)のシステム要件は、2026年10月時点でメモリ4GB以上(Windowsの64ビット版の場合)とされています。登記・供託オンライン申請システムの申請用総合ソフトは、メモリ1GB以上、ハードディスクの空き容量300MB以上を推奨環境としています。

数字だけ見ると低く感じますが、実際の仕事では会計ソフトを開きながらブラウザのタブを何枚も開き、オンライン会議をつなぎ、PDFを確認します。ソフトひとつ分の要件を満たしても、同時に使うと足りなくなることはよくあります。

性能の目安
会社設立の直後に買うパソコンの性能の目安(筆者の考え方による目安。ソフトの公式要件ではありません)。
メモリ後から増やせない機種が増えています。購入時に決めた容量で使い続ける前提で、少し多めを選ぶのがおすすめです。
保存容量会計データ自体は小さくても、請求書や領収書のPDF、スキャンした書類が積み上がります。クラウドに保存するなら少なめでも足ります。
CPU型番の比較は難しいので、発売から年数がたっていない世代かどうかを見るのが現実的です。古い世代はOSの対応が先に切れることがあります。
画面会計ソフトは横に広い画面が見やすくできています。マネーフォワードは推奨画面解像度をWXGA+(1440×900)以上としています。

会社設立の時点では、数年後の使い方までは見通せません。だからこそ、下限ぎりぎりではなく、ひとまわり上を選んでおくと買い替えまでの期間が延びます。値段と性能を比較して迷ったら、まずメモリを優先するのがおすすめです。

出典弥生「弥生製品 システム要件 クラウドサービス(弥生 Next)」

法人向けモデルと個人向けモデルは何が違うのか

法人向けモデルと個人向けモデルの違いを示したイラスト

メーカーの多くは、同じような性能のパソコンを「個人向け」と「法人向け」に分けて売っています。違いは処理の速さよりも、OSのエディション、管理のしやすさ、保証やサポートの形に出ます。

分かりやすいのがWindowsのエディションです。Microsoftの説明では、ドライブ全体を暗号化するBitLockerはWindows Pro・Enterprise・Educationの各エディションで使える機能とされています。Windows Homeでも条件を満たせば「デバイスの暗号化」が使えますが、Microsoftアカウントなどでサインインしないと自動では有効にならないと案内されています。

法人向けモデルと個人向けモデルでよく見られる違い(一般的な傾向。機種ごとに異なります)
項目法人向けモデルに多い形個人向けモデルに多い形
OSWindows Proを選べることが多いWindows Homeが多い
初期のアプリ少なめ。業務に使わないものを入れない動画・写真など多めに入っていることがある
保証延長保証や出張修理を選べることがある持ち込み・送付修理が中心
購入方法法人窓口で見積書・請求書払いに対応することがある店頭・通販でのカード払いが中心
同じ機種の継続販売一定期間同じ構成で買えることがあるモデルチェンジが早いことがある

一人社長の会社で1台だけ買うなら、法人向けモデルにこだわらなくても困ることは少ないでしょう。ただ、持ち歩くノートなら暗号化、社員が増える予定なら同じ機種をそろえやすいかどうかは、法人向けを選ぶ理由になります。

会社名義で買う場合は、見積書や請求書の宛名を会社名にできるかも見ておくと、経理の手間が減ります。会社名義で買うか個人で買うかの比較は、会社のパソコンを経費にする方法と補助金の記事で詳しく整理しています。

メーカーの説明を読むときの注意

「法人向け」という言葉に統一された定義はありません。同じメーカーでも、法人向けの中に複数の価格帯があります。名前ではなく、OSのエディション、保証の内容、購入方法を一つずつ比較してください。

出典Microsoft「Windows でのデバイスの暗号化」

保証とサポートは「壊れた日に仕事が止まるか」で考える

パソコンの保証とサポートの考え方を示したイラスト

会社設立の直後は、パソコンが1台しかないことがほとんどです。その1台が壊れると、請求書も記帳も申告も止まります。保証を選ぶときは、価格よりも「修理に出している間どうするか」を先に考えてください。

保証を選ぶときに確かめる順番

  1. メーカー保証の期間(1年が多いが機種による)と、延長できる年数
  2. 修理の方法(持ち込み・送付・出張)と、戻ってくるまでの目安
  3. 落下や水こぼしなどの事故が対象になるか
  4. 修理に出すとき、保存しているデータがどう扱われるか

4つ目は見落とされがちです。修理の内容によっては、保存装置を交換したり初期化したりすることがあります。会計データや契約書のファイルがパソコンの中にしかないと、修理のたびに不安を抱えることになります。

この点について、IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は、はじめに取り組む対策に「バックアップを取ろう!」を加えて情報セキュリティ6か条としました。個人事業主や小規模事業者も対象にしたガイドラインです。

故障に備えて決めておくこと
パソコンが壊れたときに困らないための準備。

クラウド型の会計ソフトなら、帳簿のデータはサービスの側にあるので、別のパソコンからログインすれば作業を続けられます。会計ソフトの比較は、会社設立のあとに使う会計ソフトの選び方で詳しく見ています。

保証にどこまでお金をかけるかは、事業の内容しだいです。外出先で使う時間が長いなら事故の保証、請求書の締め日が月末に集中するなら修理の速さ、というように、自分の会社で止まると困る場面から逆算するのがおすすめです。

出典IPA 独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」

会社用に買わないほうがいいパソコンの特徴

会社用に買わないほうがいいパソコンの特徴を示したイラスト

選び方の裏返しとして、会社設立の直後に買うのを避けたいパソコンの特徴もまとめておきます。値段が安いことだけで選ぶと、あとから手続きで困ることがあります。

会社用に避けたい特徴

  • Windows 10のままで、Windows 11に上げられない機種
  • メモリが4GB以下で、後から増やせない機種
  • 保存容量が小さく、OSの更新のたびに空きが足りなくなる機種
  • 発売から年数がたち、メーカーの修理受付が終わっている機種
  • 出どころが分からない中古品や、初期化されていない中古品

1つ目は特に注意してください。Microsoftは、Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了したと案内しています。国税庁のe-Taxも法務省の登記のシステムも、サポートが終了したOSは推奨環境の外としています。安く売られている古い機種の中には、Windows 11に上げられないものがあります。

中古のパソコンにも使いどころはありますが、会社の会計データやマイナンバーを扱う1台目には向きません。前の持ち主のデータが残っていたり、OSが古いままだったりすることがあるからです。中古を選ぶなら、販売店が初期化とOSの更新を済ませているかを確かめてください。

なお、補助金でパソコンを買うことを考えている場合、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公募要領では、中古品は補助の対象外とされています。中古と新品の比較をするときは、この点も頭に入れておいてください。

「安いから」で決める前に

会社設立の直後は出費がかさむので、安いパソコンに目が向くのは自然です。ただ、推奨環境から外れたパソコンで申請がうまくいかないと、時間の損失のほうが大きくなります。今の私物パソコンがWindows 11やサポート中のmacOSで動いているなら、当面はそれを使い、条件に合う1台をゆっくり選ぶのもおすすめです。

出典Microsoft「Windows 10サポートは 2025 年 10 月 14 日に終了しました」

予算と買うタイミング|10万円・20万円の線を知っておく

パソコンの購入金額と経費の処理の関係を示したイラスト

パソコンの予算を決めるとき、性能の比較と同じくらい大事なのが、税金の処理が変わる金額の線です。会社で買ったパソコンは、金額によって一度に経費にできるかどうかが変わります。

国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)によると、法人が取得した減価償却資産のうち、取得価額が10万円未満のものは、使い始めた事業年度に全額を損金にできます。20万円未満なら、3年間で均等に償却する一括償却資産を選ぶこともできます。

取得価額の線(法人の場合)
パソコンの取得価額と処理の線(国税庁タックスアンサーNo.5403・No.5408をもとに作成。2026年10月時点)。

さらに、青色申告をしている中小企業者等には、取得価額40万円未満の減価償却資産を年300万円まで全額損金にできる特例があります。この線は令和8年4月1日以後の取得分から、30万円未満から40万円未満に引き上げられました。適用期限は令和11年3月31日までの取得分です。

細かい条件や、設立前に個人で買ったパソコンの扱いは、会社のパソコンは会社名義で買うか個人で買うかで整理しています。消費税を含めた金額で判定するかどうかも経理の方法で変わるので、あわせて確認してください。

買うタイミングについては、会社設立の登記が済み、法人の口座ができてから会社名義で買うと、支払いの記録がそのまま会社の帳簿に残ります。設立前に急いで買う必要がなければ、この順番がおすすめです。

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出典国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」

まとめ|会社設立の直後のパソコンは推奨環境から逆算して選ぶ

会社設立の直後に買うパソコンの選び方のまとめイラスト

会社設立の直後に用意するパソコンは、製品名のランキングから選ぶより、自分の会社で使う手続きとソフトの推奨環境から逆算するほうが失敗しにくくなります。最後に要点を比較しやすい形でまとめます。

この記事で押さえたこと

  • 最初に用途を書き出す。申告・登記・会計・電子署名のどれを自分でやるかで条件が決まる。
  • 登記の申請用総合ソフトはWindows 11が推奨環境。e-TaxのWEB版はWindowsとMacの両方に推奨環境がある。
  • メモリと保存容量は、ソフトの最低条件よりひとまわり上を選ぶ。迷ったらメモリを優先する。
  • 持ち歩くなら暗号化を。BitLockerはWindows Pro以上、Homeでは条件つきでデバイスの暗号化。
  • 保証は「修理中に仕事が止まるか」で考え、データの置き場所を先に決めておく。
  • Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了。上げられない古い機種は会社用には避ける。

推奨環境や税制の数字は2026年10月時点で各公式ページに表示されていたものです。ソフトの推奨環境は更新されることがあるので、購入の前に最新の表示を確かめてください。会社設立のおすすめの進め方として、パソコンは手続きの道具と割り切り、必要な条件を満たす1台を選ぶところから始めてみてください。

出典マネーフォワード「「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」の推奨環境について教えてください。」

条件を書き出してから売り場に行くと、迷う時間が短くなります

パソコン選びで時間がかかるのは、候補が多すぎるからです。OS、メモリ、保存容量、暗号化の機能、保証の5つを先に決めておけば、候補は自然に絞られます。

会社設立の直後は、届出や口座開設など、パソコンより先に片づけたいことも並んでいます。高い買い物をあわてて決めるより、今あるパソコンで当面しのげるかをまず確かめるのもひとつの手です。

迷ったら、この記事のチェックリストをメモに写して、店頭やメーカーの法人窓口で一つずつ確認してみてください。会社の最初の道具を、納得して選べるはずです。

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この記事の編集体制 合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。各サービスの料金・条件は、公式サイトの表示を確認できた範囲のみ掲載しています。
記載している金額・期間・制度は2026年10月時点で確認できたものです。制度は変わることがあるため、手続きの前に法務局・公証役場・税務署などの一次情報をあわせてご確認ください。判断に迷う点は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家や所管の官庁にご相談ください。

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