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開業におすすめの業種は?|初期費用・許認可・在庫・資格の4条件で、起業しやすさを比較

一番起業しやすい業種はどれか。初期費用・許認可・在庫・資格の4つの条件で業種を比較し、初心者の開業や会社設立におすすめの考え方を、日本政策金融公庫の調査など一次情報でまとめました。

  • 公開 2026年10月17日
  • 更新 2026年10月17日
  • 読了めやす 約13分
  • 本文 約8,609字
開業におすすめの業種は?|初期費用・許認可・在庫・資格の4条件で、起業しやすさを比較|会社設立のおすすめ比較
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この記事は「はじめての起業で、どの業種なら無理なく始められるか知りたい」人に向けたものです

「一番起業しやすい業種は?」と検索すると、ランキングがたくさん出てきます。ただ、並んでいる業種の理由は記事によってばらばらで、なぜ始めやすいのかが書かれていないことも多いのが実情です。

この記事では、始めやすさを4つの条件に分けて比較します。初期費用、許認可、在庫、資格です。この4つで見ると、ランキングに出てくる業種がなぜ上位にいるのか、自分にとっても当てはまるのかが判断しやすくなります。

会社設立をするか個人で始めるかも、業種によっておすすめが変わります。その点も最後に整理しました。初心者の方が最初の一歩を決める材料として使ってください。

この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。

一番起業しやすい業種は? 4つの条件で比較する

起業しやすさを4つの条件で比較したイラスト

起業しやすい業種かどうかは、次の4つの条件でおおよそ判断できます。お金がいくらかかるか、許可が要るか、在庫を抱えるか、資格が要るかです。どれも、始めるまでの時間と、失敗したときの傷の深さに関わります。

初期費用
店舗・設備・内装・車両など、売上が立つ前に出ていくお金。少ないほど始めやすく、やめるときの損も小さくなります。
許認可
営業の前に許可や届出が要るかどうか。要る業種は、審査の期間と、物件や資金の条件が加わります。
在庫
仕入れてから売れるまでお金が寝る期間。在庫が多い業種ほど、運転資金が多く要ります。
資格
法律で資格が求められる業種かどうか。資格は参入の壁ですが、持っている人にとっては強みにもなります。
業種のタイプ別に4条件を比較(2026年10月時点の一般的な傾向。個別の事業で変わります)
業種のタイプ初期費用許認可在庫資格
Web制作・システム開発・デザイン軽い:パソコンと通信環境が中心多くは不要なし不要なことが多い
コンサルティング・研修講師軽い:自宅やレンタルスペースで可多くは不要なし不要。経験が実質の条件
ネットショップ(新品)中くらい:仕入れとサイト構築扱う商品しだい(食品・酒類などは要確認)あり不要なことが多い
中古品の販売中くらい:仕入れ資金古物商許可が要るあり不要
飲食店重い:物件・内装・厨房設備飲食店営業の許可が要る食材を少量食品衛生責任者の設置
建設・リフォーム中〜重い:工具・車両500万円以上の工事は建設業許可資材を一部工事の種類で要件あり

表を見ると、4つともが軽いのは、知識や技術を売る業種だと分かります。ランキング記事でWeb制作やコンサルティングが上位に来るのは、このためです。開業におすすめの業種として挙げられやすいのも、同じ理由です。

反対に、飲食店は4つの条件のうち3つが重くなります。それでも開業は多く、日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業業種のうち「飲食店・宿泊業」が14.5%を占めました。始めやすさだけで業種が選ばれているわけではない、ということです。

大事なのは、表の「軽い」「重い」は業種の平均的な姿にすぎないことです。同じ飲食でも、キッチンカーや間借り営業なら初期費用はずっと小さくなります。比較するときは、自分が考えている具体的な形で4条件を当てはめてみてください。

出典日本政策金融公庫 総合研究所「「2025年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要~」

初期費用:開業費用は平均975万円、中央値600万円

開業費用の平均と分布を示したイラスト

初期費用がどれくらいかかるのか、日本政策金融公庫の調査で見てみます。2025年度新規開業実態調査では、開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。長期的にみて少額化の傾向にある、とされています。

平均値975万円2025年度・開業費用
中央値600万円半分の人はこれ以下
250万円未満20.1%5人に1人
250万〜500万円未満21.7%合わせて4割以上

平均と中央値に375万円の差があるのは、一部の高額な開業が平均を引き上げているからです。自分の感覚に近いのは中央値のほうでしょう。そして、250万円未満で開業した人が20.1%、250万〜500万円未満が21.7%で、合わせて4割を超えます。

開業時の資金調達(平均1,219万円)
開業時の資金調達額の内訳(日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」、平均値)。

資金の集め方も見ておきます。開業時の資金調達額は平均1,219万円で、金融機関等からの借入が平均827万円(67.9%)、自己資金が平均279万円(22.9%)でした。借入と自己資金で全体の9割を占めます。

この調査は、公庫から融資を受けた開業者が対象です。借入をせずに始めた人は入っていないので、全体の開業費用はもう少し低いと考えるのが自然です。会社設立そのものの費用(株式会社なら登録免許税15万円〜と定款認証の手数料など)は、ここに含まれる一部にすぎません。

初期費用を抑えたいなら、物件と設備が要らない業種を選ぶのがいちばん効きます。会社設立の費用を抑える方法は、会社設立の費用を安くする記事で比較しています。

出典日本政策金融公庫 総合研究所「開業者に占める女性比率の上昇と開業の小規模化が継続~「2025年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要~」

許認可:要らない業種ほど早く始められる

許認可の有無で開業までの期間が変わることを示したイラスト

2つ目の条件は許認可です。許認可が要らない業種なら、会社設立の登記をして、税務署などに届出を出せば、その日から営業できます。要る業種は、許可が出るまで売上を立てられません。

許認可が要らないことが多い業種Web制作、ソフトウェア開発、デザイン、翻訳、ライティング、経営コンサルティング、研修講師など。知識や技術を提供する業種に多いです。
届出で始められる業種食品のうち許可業種に当たらない営業の多くは、保健所への届出の対象です。届出は許可より軽い手続きですが、出さずに始めてよいわけではありません。
許可が要る業種飲食店営業、古物商、建設業(軽微な工事を超える場合)、人材派遣、不動産仲介、旅行業など。審査の期間と、物件・資金・資格者の条件があります。

建設業を例にとると、国土交通省は、軽微な建設工事だけを請け負う場合は許可が不要としています。建築一式以外の工事なら、1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)が軽微な工事の線です。小さなリフォームから始めて、規模が大きくなったら許可を取るという順番も考えられます。

中古品を扱うなら古物商許可が要ります。警視庁の案内では、申請先は主たる営業所を管轄する警察署で、手数料は19,000円です。せどりやリユースの起業はおすすめとして紹介されることが多いのですが、許可なしで中古品の売買を業として行うことはできません。

許認可が関わる業種の一覧は、会社設立の業種一覧の記事でまとめています。所管の窓口と条件を比較してから、業種を絞り込んでください。

なお、許認可が要らない業種でも、商品によって別の規制がかかることがあります。ネットショップで化粧品や健康食品、酒類を扱う場合などです。扱う商品が決まった時点で、所管の官庁のページを一度見ておくのがおすすめです。

出典国土交通省「建設業の許可とは」

在庫:在庫を持たない業種は資金繰りが楽になる

在庫と資金繰りの関係を示したイラスト

3つ目の条件は在庫です。商品を仕入れて売る業種では、仕入れの支払いから、売上の入金までの間、お金が寝ます。この期間が長いほど、手元に置いておく運転資金が多く要ります。

日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業時に苦労したこととして「資金繰り、資金調達」を挙げた人が56.9%で最も多く、「顧客・販路の開拓」が49.9%で続きました。業種にかかわらず、開業直後はお金のやりくりがいちばんの悩みだということです。

在庫の有無で資金繰りを比較
在庫を持つ業種在庫を持たない業種
代表例小売・卸売・ネットショップ・中古品販売Web制作・コンサル・講師・士業
売上が立つ前の支出仕入れ代金が先に出る人件費と家賃程度
売れ残ったとき値下げや廃棄で損が出る時間の損で済むことが多い
資金の目安仕入れの回転に合わせて数か月分生活費と固定費の数か月分

在庫を持たない業種は、初期費用だけでなく、始めたあとの資金繰りも軽く済みます。初心者の起業におすすめされる業種の多くが「無在庫」なのは、このためです。

一方、在庫を持つ業種は、仕入れのたびに資金が要るので、創業融資を使う人が多くなります。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金のように、創業期向けの融資制度もあります。公庫の創業融資の記事で、申し込みの流れを比較しています。

在庫を持つ業種でも、受注してから仕入れる形や、少量から始める形にすれば、資金の寝る期間を短くできます。事業計画を作るときに、仕入れから入金までの日数を一度数えてみてください。

出典日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

資格と経験:始めやすさを決める5つ目の条件

資格と経験が開業に関わることを示したイラスト

4つ目の条件は資格です。税理士・行政書士・司法書士・社会保険労務士などの士業は、資格と登録がなければその業務を行えません。介護や保育、医療も、制度ごとに資格者の配置が求められます。

資格は参入の壁ですが、持っている人にとっては、競合が少ない分だけ始めやすい業種になります。同じ業種でも、資格の有無で「起業しやすさ」は正反対になるということです。

そして、資格以上に効いているのが経験です。2025年度新規開業実態調査では、「斯業経験」(いまの事業に関連する仕事の経験)がある開業者は81.1%で、経験年数の平均は15.3年でした。現在の事業に決めた理由も、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が43.8%で最も多くなっています。

男女で事業を決めた理由に違いがあります

  • 「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」:男性46.3%、女性36.7%
  • 「身につけた資格や知識を生かせるから」:男性19.9%、女性22.4%
  • 開業者に占める女性の割合は25.7%で、4年連続で調査開始以来の最高を更新

出典は日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」。女性は資格や知識、趣味や特技を生かして事業を決める割合が男性より高いとされています。

つまり、開業する人の多くは、まったく知らない業種ではなく、すでに経験のある業種で起業しています。初心者におすすめの業種を探すときも、「自分が10年続けてきた仕事の延長に何があるか」から考えるほうが、ランキングを眺めるより現実的です。

経験のない業種に挑戦するなら、副業として小さく試してから会社設立をする方法もあります。売上の見込みが立ってから法人にすれば、無理のない規模で始められます。

出典日本行政書士会連合会「日本行政書士会連合会」

初心者の起業におすすめの業種タイプを比較

初心者の起業におすすめの業種タイプを比較したイラスト

4つの条件と経験を合わせて、初心者の起業におすすめできる業種のタイプを3つに分けて比較します。どれが一番かではなく、自分がどのタイプに近いかで選んでください。

技術を売るタイプWeb制作、プログラミング、デザイン、動画編集など。パソコン1台で始められ、許認可も在庫も要らないことが多い。代わりに、技術を磨き続ける必要があり、価格競争にもさらされやすい業種です。
経験を売るタイプ前職の業界向けのコンサルティング、研修講師、営業代行など。初期費用はほとんどかからず、前職の人脈が最初の顧客になりやすい。経験の長さがそのまま強みになります。
小さく売るタイプネットショップ、ハンドメイド販売、キッチンカーなど。在庫や許可が関わるものの、店舗を持たない形なら初期費用を抑えられます。扱う商品の規制を先に確かめることが前提です。
初心者におすすめの業種タイプ
初心者向けの3タイプを4条件で比較(2026年10月時点の一般的な傾向)。

J-Net21(中小企業基盤整備機構)では、業種別の開業ガイドを公開しています。サービス業、IT関連業、小売業、専門サービス業などに分けて、開業に必要な手続きや資金の目安がまとめられているので、候補の業種が決まったら一度読んでおくとよいでしょう。

もうひとつ、どのタイプでも共通するのが販路です。開業時に苦労したことの2位が「顧客・販路の開拓」でした。始めやすい業種ほど、最初のお客さんをどう見つけるかが勝負になります。開業の前に、最初の3件の顧客の当てを書き出してみてください。

利益の出やすさで業種を比較したい人は、利益が出やすい業種の記事も参考にしてください。始めやすさと儲かりやすさは、いつも一致するとは限りません。

出典中小機構「J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト」

会社設立から始めるか、個人事業から始めるか

会社設立と個人事業の比較を示したイラスト

業種が決まったら、会社設立をして法人で始めるか、個人事業として始めるかを決めます。2025年度新規開業実態調査では、開業時の経営形態は個人企業が57.0%、法人企業が43.0%でした。

法人で始めたほうがよいのは、取引先が法人との契約を求める業種や、許認可・融資で法人格が有利になる業種です。企業向けのシステム開発やコンサルティング、人材派遣、建設業の元請などがこれに当たります。

法人で始めるか、個人で始めるか
会社設立と個人事業の比較(2026年10月時点)。

反対に、まず小さく試したい業種や、個人のお客さんが中心の業種なら、個人事業から始めて、売上が育ってから会社設立をする方法もおすすめです。法人化のタイミングは一人社長の法人化の記事で比較しています。

株式会社と合同会社のどちらにするかも、業種で変わります。設立の費用を抑えたいなら合同会社、将来の資金調達や採用を考えるなら株式会社、というのが一般的な比較です。詳しくは株式会社と合同会社の違いの記事をどうぞ。

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出典国税庁「No.5759 法人税の税率」

まとめ|始めやすい業種は4条件と経験で決まる

開業におすすめの業種のまとめイラスト

一番起業しやすい業種はどれか、という問いに、ひとつの答えはありません。ただ、比べ方ははっきりしています。

この記事で押さえたこと

  • 始めやすさは、初期費用・許認可・在庫・資格の4条件で比較できる。4つとも軽いのは知識や技術を売る業種。
  • 2025年度新規開業実態調査では、開業費用は平均975万円・中央値600万円。4割以上が500万円未満で開業している。
  • 許認可が要らない業種は、登記と届出だけで営業を始められる。中古品・飲食・建設などは許可を確かめる。
  • 開業者の81.1%に斯業経験があり、事業を決めた理由の最多は経験や技能を生かせること。
  • 法人で始めるか個人で始めるかも業種で変わる。企業向けの取引や許認可業種は会社設立を先に考える。

業種選びの全体像は会社設立 おすすめ 業種のまとめにあります。数字は2026年10月時点で確認できた日本政策金融公庫などの公表資料によるもので、調査の対象や時点によって変わります。許認可の条件は、実際の手続きの前に所管の窓口でご確認ください。

出典中小企業庁「創業支援等事業計画について」

始めやすさは、あなたの経験と組み合わせて決まります

4つの条件がそろって軽い業種は、たしかに始めやすい業種です。ただし、始めやすい業種は、ほかの人にとっても始めやすい業種です。競合が多く、価格で比べられやすいという面もあります。

日本政策金融公庫の調査では、開業者の8割以上が、いまの事業に関連する仕事の経験を持っていました。始めやすさの4条件に、自分の経験という5つ目の条件を足して考えてみてください。

業種が決まったら、会社設立の段取りに進みます。費用や手続きで迷うところがあれば、当サイトのほかの記事も比較の材料にしてください。

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この記事の編集体制 合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。各サービスの料金・条件は、公式サイトの表示を確認できた範囲のみ掲載しています。
記載している金額・期間・制度は2026年10月時点で確認できたものです。制度は変わることがあるため、手続きの前に法務局・公証役場・税務署などの一次情報をあわせてご確認ください。判断に迷う点は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家や所管の官庁にご相談ください。

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