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会社設立の業種一覧|開業が多い業種と、日本標準産業分類・許認可・事業目的の関係

会社設立で選ばれている業種を、日本政策金融公庫の新規開業実態調査と総務省の日本標準産業分類で一覧にしました。許認可が必要な業種と定款の事業目的の関係まで、比較しながら整理しています。

  • 公開 2026年10月17日
  • 更新 2026年10月17日
  • 読了めやす 約14分
  • 本文 約9,312字
会社設立の業種一覧|開業が多い業種と、日本標準産業分類・許認可・事業目的の関係|会社設立のおすすめ比較
会社設立 おすすめ 業種の比較記事

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この記事は「自分の事業がどの業種に当たるのか、会社設立の前に整理しておきたい」人に向けたものです

会社設立を考え始めると、思った以上に「業種」を聞かれます。融資の申込書、法人口座の申込み、税務署への届出、許認可の申請。同じ事業でも、書類によって業種の区切り方が少しずつ違うのがややこしいところです。

この記事では、まず実際に開業が多い業種を一次統計で一覧にし、次に業種を分けるときの物差しである日本標準産業分類を見ます。そのうえで、許認可が必要な業種と、定款の事業目的との関係を整理します。

おすすめの業種を探している段階の人にも、すでに事業は決まっていて手続きの前に確認したい人にも、役に立つように書いています。会社設立の前に一度、自分の事業を表の中に置いてみてください。

この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。

会社設立で多い業種の一覧(2025年度の開業データ)

開業が多い業種の一覧を示したイラスト

実際に開業が多い業種から見ていきます。参考にするのは、日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」です。公庫が2024年4月から9月に融資した、開業後1年以内の企業8,517社(不動産賃貸業を除く)を対象に、2025年8月に行った調査で、回答は2,165社でした。

この調査では、開業業種は「サービス業」が27.7%で最も高く、「医療・福祉」が16.7%、「飲食店・宿泊業」が14.5%と続きます。2024年度と比べると、サービス業・不動産業・卸売業・製造業の割合が下がったとされています。

開業業種の上位(日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」)
業種割合読み方の注意
サービス業27.7%美容・整体・コンサルティング・士業など幅広い。中身は人によって大きく違う
医療・福祉16.7%診療所・介護・障害福祉など。制度ごとの指定や許可が関わる
飲食店・宿泊業14.5%飲食店営業の許可が必要。持ち帰り・配達は小売業に含めて集計

ここで気をつけたいのは、この数字は公庫から融資を受けた開業者の集計だという点です。借入を使わずに始める業種、たとえば自宅で始めるIT系の受託や個人のコンサルティングは、実際より少なく出ている可能性があります。会社設立の全体像そのものではなく、「お金を借りて開業した人」の業種構成として読んでください。

会社設立の件数そのものについては、民間の東京商工リサーチが、2025年に全国で新しく設立された法人を15万7,011社と公表しています。2008年の統計開始以来の最多で、株式会社が10万558社(構成比64.0%)、合同会社が4万4,991社(同28.6%)でした。建設業は1万3,968社で前年から7.0%減、小売業は1万3,589社で3.7%減とされています。

開業が多い業種と最初の確認先
開業が多い業種と、手続きで最初に確かめること(2026年10月時点で確認できた一次情報から作成)。

一覧を見て「多い業種がおすすめ」と考えるのは早すぎます。会社設立のおすすめ業種は、人によって変わるからです。多いということは、競合も多いということです。次の章からは、業種を分ける物差しそのものを見ていきます。

出典日本政策金融公庫 総合研究所「「2025年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要~」

業種の分け方の基本は日本標準産業分類

日本標準産業分類の大分類を示したイラスト

国の統計で「業種」と言うとき、物差しになっているのが総務省の日本標準産業分類です。現行は令和5年(2023年)7月告示の第14回改定で、令和6年4月1日から施行されています。

分類は4段階あります。総務省の「各分類別項目数一覧」によると、大分類20、中分類99、小分類536、細分類1,473です。会社設立の場面で使うのは、たいてい大分類か中分類までで十分です。おすすめは、まず大分類で当たりをつける見方です。

日本標準産業分類(令和5年7月告示)の大分類と項目数
大分類中分類細分類会社設立で多い例
D 建設業355内装・リフォーム・設備工事
E 製造業24598食品製造・金属加工・小ロットの雑貨製造
G 情報通信業545ソフトウェア開発・Web制作
H 運輸業,郵便業863軽貨物運送
I 卸売業,小売業12205ネットショップ・中古品販売
K 不動産業,物品賃貸業328不動産仲介・管理
L 学術研究,専門・技術サービス業442士業・デザイン・経営コンサルタント
M 宿泊業,飲食サービス業330飲食店・カフェ・民泊
N 生活関連サービス業,娯楽業369美容室・エステ・旅行業
O 教育,学習支援業236学習塾・教室
P 医療,福祉341介護・障害福祉・保育
R サービス業(他に分類されないもの)967人材派遣・ビルメンテナンス

表は、会社設立で目にすることが多い大分類だけを抜き出したものです。大分類は全部で20あり、ほかに農業・林業、漁業、鉱業、電気・ガス、金融・保険、複合サービス事業、公務、分類不能の産業があります。

細分類の数を比較すると、製造業が598と飛び抜けて多く、卸売業・小売業が205で続きます。モノを扱う業種ほど、何を扱うかで細かく分かれているということです。逆に情報通信業は細分類45と少なく、同じ「ソフトウェア業」の中に受託開発もパッケージ開発も入ります。

なお、日本標準産業分類での名前と、世間で使われる呼び方は一致しないことがあります。たとえば「コンサルティング」はL(学術研究,専門・技術サービス業)に、「人材派遣」はR(サービス業(他に分類されないもの))に入ります。自分の事業がどこに入るかは、総務省やe-Statの分類検索で確かめられます。調べ方としては、事業の中身を表す言葉で検索するのがおすすめです。

出典総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)各分類別項目数一覧」

産業分類は統計の物差しで、許認可を決めるものではない

産業分類と許認可の違いを示したイラスト

日本標準産業分類について、総務省のページにははっきりした注意書きがあります。行政機関が統計を産業別に表示するための技術的基準であり、個々の事業所の産業を決定して個別の行政上の処分に使うためのものではない、という趣旨です。

さらに、各種申請や届出で「この会社の分類番号を知りたい」といった問い合わせは、その申請や届出の制度を所管する機関に尋ねるよう案内しています。つまり、産業分類で「建設業」に入るからといって、建設業許可が要るかどうかは決まらないということです。

同じ「業種」でも、書類ごとに見ているものが違います

  • 統計の業種:日本標準産業分類(総務省)
  • 許認可の業種:それぞれの法律(食品衛生法、建設業法、古物営業法、労働者派遣法など)
  • 中小企業かどうかの業種区分:中小企業基本法の定義(製造業その他・卸売業・小売業・サービス業)
  • 定款の事業目的:会社が自分で書く文章。分類の名前そのままでなくてよい

会社設立の準備でつまずきやすいのは、この区別があいまいなまま進めてしまうことです。融資の申込書で「サービス業」に丸をつけたことと、許認可の要否は関係がありません。許認可は、その事業を規制する法律の定義で判断されます。

おすすめの順番は、まず事業の中身を具体的な言葉で書き出し、次にそれが規制されている業種かを所管官庁のページで確かめ、最後に統計上の分類を当てはめることです。分類から入るより、手戻りが少なくなります。

迷ったときは、許認可の窓口に「こういう事業を考えているが、許可や届出は要るか」と聞くのがいちばん確実です。会社設立の前なら、個人の名前で問い合わせて構いません。

出典総務省「日本標準産業分類」

法律によって業種の区切り方が違う(中小企業の定義)

中小企業の定義の業種区分を示したイラスト

もうひとつ、会社設立のあとによく出てくる業種の区切りがあります。中小企業基本法の定義です。補助金や融資の対象になるかどうかを判断するときに使われます。

中小企業基本法の定義(中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」)
業種区分中小企業者小規模企業者
製造業その他資本金3億円以下又は従業員300人以下従業員20人以下
卸売業資本金1億円以下又は従業員100人以下従業員5人以下
小売業資本金5千万円以下又は従業員50人以下従業員5人以下
サービス業資本金5千万円以下又は従業員100人以下従業員5人以下

ここでは業種が4つにしか分かれていません。日本標準産業分類の20の大分類とは、区切りの粗さがまったく違います。同じ会社でも、統計では「情報通信業」、中小企業の定義では「製造業その他」になるといったことが起きます。

中小企業庁は、この定義は中小企業政策の基本的な範囲を示す原則で、法律や制度によって扱いが異なることがあると注記しています。たとえば法人税の中小企業向け軽減税率は、資本金1億円以下の法人が対象です。補助金によっては、大企業と密接な関係を持つ「みなし大企業」が対象外になります。

会社設立の時点では、ほとんどの人が中小企業者にも小規模企業者にも当てはまるはずです。ただし、小規模企業者の線は製造業その他なら20人、商業・サービス業なら5人と差があります。小規模事業者向けの補助金を使う予定があるなら、自分の業種区分を先に確かめておくのがおすすめです。

補助金や創業融資の選び方は、会社設立のときに使える補助金の記事で比較しています。

出典中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」

許認可が必要な主な業種の一覧

許認可が必要な業種の一覧を示したイラスト

ここからが手続きに直接効く話です。会社設立の前に、自分の業種が許可や届出の対象かどうかを確かめます。代表的なものを、所管の機関が公表している内容で一覧にしました。

許認可が必要な主な業種(2026年10月時点で各機関のページを確認)
業種必要な手続き主な条件・費用窓口
飲食店飲食店営業の許可(食品衛生法)施設基準を満たすこと、食品衛生責任者の設置、HACCPに沿った衛生管理保健所
建設業建設業許可(建設業法)軽微な工事だけなら不要。建築一式以外は1件500万円未満(税込)が目安都道府県・国土交通省
中古品の売買古物商許可(古物営業法)申請手数料19,000円(警視庁の場合)。法人は定款と登記事項証明書を添付警察署
人材派遣労働者派遣事業の許可基準資産額2,000万円以上、現預金1,500万円以上など。事業所はおおむね20㎡以上都道府県労働局
不動産仲介宅地建物取引業の免許営業保証金1,000万円(主たる事務所)か、保証協会加入で分担金60万円都道府県・国土交通省

飲食店については、2021年6月1日施行の改正食品衛生法で、営業許可の業種が34から32に再編されました。沖縄県の案内では、原則として許可・届出の対象となるすべての施設で食品衛生責任者を置く必要があるとされています。許可業種に当たらない食品の営業も、多くは届出の対象です(厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」)。

建設業は、国土交通省によると、軽微な建設工事だけを請け負う場合は許可が要りません。軽微な工事は、建築一式工事なら1件1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅、それ以外は1件500万円未満です(いずれも消費税込み)(国土交通省「建設業の許可とは」)。

人材派遣は、表の中でもっとも資金のハードルが高い業種です。厚生労働省の自己チェック様式では、基準資産額2,000万円以上、基準資産額が負債総額の7分の1以上、現預金1,500万円以上が示されています(小規模な事業者の暫定的な措置などの例外あり)。資本金をいくらにするかが許可に直結するので、会社設立の前に労働局へ確認してください(厚生労働省 様式第15号)。

許認可を確かめる順番
許認可の要否を確かめるときのチェック項目。

ここに挙げたのは一部です。旅行業、介護サービス、酒類の販売、産業廃棄物の収集運搬など、ほかにも許認可が関わる業種は多くあります。比較サイトの一覧は便利ですが、最後は所管の機関の一次情報で確かめてください。一覧はあくまで入口として使うのがおすすめです。

出典沖縄県「食品衛生法の改正(令和3年6月1日)による営業許可制度の変更」

定款の事業目的と業種の関係

定款の事業目的と業種の関係を示したイラスト

会社設立では、定款に事業目的を書きます。会社法で定款に書かなければならない事項(絶対的記載事項)のひとつで、登記もされます。業種の一覧とつながるのはここです。

事業目的は、日本標準産業分類の名前をそのまま書く必要はありません。「飲食店の経営」「ソフトウェアの企画、開発、販売」のように、自分の言葉で具体的に書くのが一般的です。最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れておくのも、よく使われる書き方です。

許認可がある業種申請のときに、その事業が目的に入っているかを見られます。法律上の名前に合わせた表現を求められることがあるので、窓口に確認してから定款を固めます。
許認可がない業種書き方の自由度は高めです。ただし、金融機関や取引先が会社の中身を判断する材料になるので、何をする会社か伝わる書き方にします。
将来始めたい事業1〜2年のうちに始めそうな事業まで入れておくと、あとで変更登記をせずに済みます。関係のない事業を並べすぎると、かえって分かりにくくなります。
事業目的を変えるとき株主総会の決議と変更登記が必要です。登録免許税は1件3万円で、司法書士に頼めば報酬が加わります。

古物商許可を例にとると、警視庁の案内では法人の申請に定款と登記事項証明書が必要です。中古品の売買を目的に入れずに会社設立をすると、許可の申請の前に目的の変更が必要になることがあります。

事業目的の書き方そのものは、定款の事業目的の書き方の記事で詳しく比較しています。会社名とあわせて決めるなら、会社名の決め方も参考になります。

おすすめの進め方は、業種の一覧で自分の位置を確かめ、許認可の窓口で目的の表現を聞き、そのうえで定款を作ることです。この順番なら、会社設立のあとで目的を書き直すことはほとんどなくなります。急いでいるときほど、このおすすめの順番を守ってください。

出典デジタル庁「e-Gov法令検索 会社法」

業種で変わる会社設立の段取りを比較する

業種ごとの会社設立の段取りを比較したイラスト

業種によって、会社設立と許認可の順番が変わります。多くの許可は、法人として申請するので登記のあとになります。一方で、資本金や事務所の条件は登記の前に決めておかないと間に合いません。

許認可がある業種の会社設立の流れ
許認可が必要な業種で会社設立をするときの段取り(2026年10月時点)。
業種ごとに先に決めておくこと(比較)
業種登記の前に決めること登記のあとにすること
飲食店店舗の物件と設備(施設基準に合うか)、食品衛生責任者保健所への許可申請、営業開始
建設業500万円以上の工事を請け負うか、経営経験や技術者の要件建設業許可の申請
中古品の売買営業所の場所、目的に古物の売買を入れる警察署への古物商許可の申請
人材派遣資本金(基準資産額・現預金)、事業所の広さ労働局への許可申請
IT・コンサル許認可は不要なことが多い。事業目的の書き方税務署などへの届出

許認可のない業種は、会社設立の段取りがもっとも単純です。定款を作り、登記をして、税務署などに届出を出せば、その日から営業できます。はじめての起業で業種を迷っているなら、これも比較のポイントになります。

一方で、飲食店や人材派遣のように物件や資金の条件がある業種は、会社設立の前に決めることが多くなります。順番を間違えると、物件の契約をやり直したり、増資が必要になったりします。

手続きを自分で進めるか専門家に頼むかは、司法書士と行政書士の違いの記事で比較しています。許認可の申請は行政書士、登記は司法書士の業務です。

出典警視庁「古物商許可申請」

まとめ|業種一覧は「分類」と「許認可」の2枚で見る

会社設立の業種一覧のまとめイラスト

会社設立の業種一覧を、一次情報で整理してきました。押さえておきたいのは次の点です。

この記事で押さえたこと

  • ✓2025年度新規開業実態調査では、開業業種はサービス業27.7%、医療・福祉16.7%、飲食店・宿泊業14.5%の順。公庫の融資先の集計である点に注意する。
  • ✓業種の物差しは日本標準産業分類(第14回改定、令和6年4月施行)。大分類20・中分類99・小分類536・細分類1,473。
  • ✓産業分類は統計のための基準で、許認可の要否を決めるものではない。許認可は各法律と所管の機関で確かめる。
  • ✓飲食・建設・古物・人材派遣・不動産仲介などは許認可が関わる。資本金や事務所の条件は会社設立の前に決める。
  • ✓定款の事業目的は自分の言葉で書き、許認可がある業種は窓口で表現を確かめてから固める。

次に考えるのは、どの業種で始めるかです。始めやすさで比較するなら開業におすすめの業種の記事、利益の出やすさで比較するなら利益が出やすい業種の記事をどうぞ。業種選びの全体は会社設立 おすすめ 業種のまとめにあります。

数字と制度は2026年10月時点で確認できたものです。許認可の条件は改正されることがあるので、実際の手続きの前に所管の機関でご確認ください。

出典法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」

業種が決まれば、会社設立の段取りもほぼ決まります

業種の一覧は、眺めるだけでは役に立ちません。自分の事業がどこに入り、許認可が要るかどうか。この2点が分かった時点で、会社設立の順番と、定款に書く事業目的の骨組みが見えてきます。

許認可が関わる業種は、所管の窓口に一度問い合わせてから定款を固めてください。会社設立のあとに目的を書き足すと、変更登記の費用がかかります。

どの業種で始めるかをまだ迷っているなら、始めやすさと利益の出やすさを比較した別の記事も参考にしてください。決めるのはあなたですが、材料は多いほど迷いにくくなります。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

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この記事の編集体制 合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら編集しています。各サービスの料金・条件は、公式サイトの表示を確認できた範囲のみ掲載しています。
記載している金額・期間・制度は2026年10月時点で確認できたものです。制度は変わることがあるため、手続きの前に法務局・公証役場・税務署などの一次情報をあわせてご確認ください。判断に迷う点は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家や所管の官庁にご相談ください。

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