この記事は「株式会社にするか合同会社にするかは決めた。その形態に合う会社設立の本を選びたい」人に向けたものです
会社設立の本は、株式会社の本と合同会社の本に大きく分かれます。同じ「会社のつくり方」でも、定款の認証があるかないかで、本の中身の半分近くが変わってきます。
この記事では、国立国会図書館サーチで書名・出版者・発行年・版を確認した本を、株式会社向けと合同会社向けに分けて比較します。両方を1冊で比べられる本も挙げます。中身を読んでいない本の評価はせず、目次と紹介文で確かめられた範囲だけを書きます。
後半では、本だけでは追いつかない最新の手数料や手続きを、どの一次情報で補えばよいかを整理します。本サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ていますが、紹介する本は提携とは関係ありません。
この記事は2026年10月時点で確認できた内容をもとにしています。金額や制度は変わることがあるため、実際の手続きの前に一次情報でご確認ください。
株式会社と合同会社で、本に書かれる手続きはどこが違うか

会社設立の本を形態別に比較する前に、そもそも手続きのどこが違うのかを押さえておきます。いちばん大きいのは定款の認証です。株式会社は公証人の認証が必要で、合同会社は不要です。

この違いが、そのまま本の構成に表れます。株式会社の本には、公証役場での認証の流れ、手数料、謄本の取り方が章として入ります。合同会社は認証の手続きがないので、本でもその章は要りません。そのかわり、業務執行社員や代表社員の決め方、社員が複数いる場合の定款の定め方といった、合同会社ならではの決めごとが説明の中心になります。
費用の面では、合同会社のほうが安く会社設立ができます。資本金が少ない場合、株式会社は登録免許税15万円と定款認証の手数料がかかり、合同会社は登録免許税6万円で済みます。電子定款にすれば、どちらも収入印紙4万円は要りません。
形態の選び方そのものは、本だけでなく税理士などへの相談で決める人も多いところです。ここでは、形態がすでに決まっている前提で、おすすめの会社設立の本を比較していきます。
出典日本公証人連合会「Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」
株式会社設立の本おすすめ|実在を確かめた4冊の比較

株式会社を中心に扱う会社設立の本を4冊挙げます。いずれも国立国会図書館サーチで書誌を確認しました。並びは発行の新しい順で、優劣ではありません。
| 書名 | 出版者 | 発行 | ページ数 | 書誌で確かめられた特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 『よくわかる 株式会社のつくり方と運営 ’26~’27年版』 | 成美堂出版 | 2026年8月 | 255ページ | 内容紹介に「ひとりで会社を設立したい人」向け、実例を多く掲載とある。目次は「株式会社設立の決意」から始まる |
| 『らくらく株式会社設立&経営のすべてがわかる本 改訂3版』 | あさ出版 | 2026年2月 | 291ページ | 内容紹介に、定款作成・登記申請などの設立手続きから設立後の経理・税金までを記入例付きで解説、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応ポイントも扱うとある |
| 『株式会社の設立と運営が1冊でわかる本』 | 技術評論社 | 2024年2月 | 238ページ | 出版社ページの目次に「定款を作成して認証を受ける」「資本金の証明を作成する」「法務局に登記申請をしよう」「登記が完了したら各種届出をしよう」、Part2に「株式会社の変更登記」がある。著者は行政書士と司法書士 |
| 『一人でできる定款作成から会社設立登記まで 第2版』 | 日本加除出版 | 2021年2月 | 268ページ | Q&A形式で定款作成と設立登記の書類を扱い、巻末に公証人の認証を受けた定款例を収録 |
4冊の違いをひと言でいうと、成美堂出版の本は毎年の版で制度を追う年度版、あさ出版の本は設立後の経理や税金まで扱う本、技術評論社の本は定款の認証から登記までを章ごとに追う本、日本加除出版の本は定款の条文をQ&Aで掘り下げる本です。
新しさで選ぶなら、2026年に発行された成美堂出版の年度版とあさ出版の改訂3版が候補になります。定款を自分で一から書きたい人には、公証人の認証を受けた定款例を収録した日本加除出版の本がおすすめです。ただし2021年2月の発行なので、手数料の部分は一次情報で確かめてください。

株式会社設立の本を選ぶときは、代表取締役等住所非表示措置(2024年10月開始)に触れているかも見ておくとよいでしょう。設立登記と同時に申し出る必要があるので、知らないまま会社設立を済ませると、あとからは使えません。
出典国立国会図書館サーチ「らくらく株式会社設立&経営のすべてがわかる本 改訂3版(あさ出版・2026年2月)」
合同会社設立の本おすすめ|実在を確かめた5冊の比較

合同会社を中心に扱う会社設立の本は、株式会社の本より多く見つかりました。国立国会図書館サーチで確かめた5冊を、発行の新しい順に比較します。
| 書名 | 出版者 | 発行 | ページ数 | 書誌で確かめられた特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 『合同会社の設立手続きがよくわかる本(図解ポケット)』 | 秀和システム | 2025年2月 | 163ページ | 一般注記に「資料ダウンロード 電子定款・オンライン申請にも対応!」。目次に「定款の作成」「出資の払込み」「設立の登記の申請」 |
| 『合同会社の設立・運営ができる本 増補改訂版』 | 日本実業出版社 | 2024年8月 | 219ページ | 内容紹介に、法人設立ワンストップサービスやインボイスなど実務に役立つ情報を充実させた改訂版とある |
| 『最新 合同会社〈LLC〉の設立と運営がよくわかる本』 | 秀和システム | 2023年9月 | 205ページ | 一般注記に「各種フォーム・ダウンロードサービス付」。目次に「定款をつくろう」「登記手続き」 |
| 『図解 いちばんやさしく丁寧に書いた合同会社設立・運営の本』 | 成美堂出版 | 2023年7月 | 271ページ | 目次の冒頭に「これだけある!!合同会社のメリット」がある |
| 『合同会社設立・登記・運営がまるごとわかる本 第2版』 | 日本法令 | 2023年4月 | 306ページ | 目次は「合同会社設立を思い立ったら」「設立計画を立てる」「基本事項を決め、定款を作成する」「登記手続を行う」「いろいろと届け出る」など。中小企業診断士・税理士・司法書士・社会保険労務士など24名のチームが執筆 |
5冊のうち、電子化への対応が書誌から読み取れるのは2冊です。秀和システムの図解ポケットは一般注記に「電子定款・オンライン申請にも対応!」とあり、日本実業出版社の増補改訂版は内容紹介に法人設立ワンストップサービスの情報を充実させたとあります。
書式をダウンロードして使いたい人には、秀和システムの2冊が候補になります。図解ポケットには資料ダウンロード、天道猛さんの本には各種フォームのダウンロードサービスがあると、それぞれ書誌の注記に書かれています。
合同会社の会社設立を初めて調べる人には、手続きの全体と運営をまとめて扱う日本法令の本や成美堂出版の本もおすすめです。日本法令の本は、目次が「合同会社設立を思い立ったら」から「いろいろと届け出る」まで時系列に並んでいます。

出典国立国会図書館サーチ「合同会社の設立・運営ができる本 増補改訂版(日本実業出版社・2024年8月)」
株式会社と合同会社を1冊で比べられる本

まだ形態を決めていない人は、両方を扱う会社設立の本で比較してから決めるのがおすすめです。目次に株式会社と合同会社の両方の章がある本を2冊挙げます。
ソーテック社の本は2025年8月の発行で、2024年12月の手数料改定より後に出ています。三修社の本は2024年1月の発行で、改定の前です。書式を重く見るなら三修社、新しさを重く見るならソーテック社という選び方ができます。
一般社団法人も候補に入っている人は、三修社の本が3つの形態を並べて扱っている点が使いやすいはずです。ただし一般社団法人は会社ではないので、このサイトの比較の対象からは外れます。
ほかの観点で会社設立の本を並べた比較は、会社設立の本ランキング(発行年・対象・ページ数で並べたもの)にまとめています。
出典国立国会図書館サーチ「すぐに役立つ 入門図解 最新 株式会社・合同会社・一般社団法人設立の手続きと書式(三修社・2024年1月)」
本だけでは足りない点①|定款認証の手数料(2024年12月改定)

株式会社設立の本でいちばん古くなりやすいのが、定款認証の手数料です。日本公証人連合会によると、2024年12月1日から、条件を満たす場合の手数料が1万5,000円になりました。
条件は、資本金の額等が100万円未満で、発起人全員が自然人かつ3人以下、発起設立で、取締役会を置かないことです。一人社長が小さく株式会社を作る場合、当てはまることが多い条件です。それ以外の場合は、資本金100万円未満で3万円、100万円以上300万円未満で4万円、それ以上で5万円です。


合同会社の本は、この改定の影響を受けません。定款認証がないからです。合同会社設立の本なら、2023年ごろの版でも費用の部分は今とほぼ同じ前提で読めます。
なお、登録免許税には、市区町村の特定創業支援等事業を受けて証明書を添付すると、税率が0.35%になり、最低額も株式会社7.5万円・合同会社3万円に下がる制度があります。中小企業庁のページに条件が載っています。本で触れていないこともあるので、会社設立の費用を比較するときは確認してみてください。
本だけでは足りない点②|オンライン申請・印鑑・代表者の住所

費用のほかにも、ここ数年で変わった手続きがあります。会社設立の本の版によっては、まだ反映されていないことがあります。
3つ目は、法務省のページで株式会社を対象として案内されています。合同会社の代表社員の住所の扱いは、この措置の説明の範囲には含まれていません。合同会社設立で住所の公開が気になる人は、法務局に確認してください。
非表示措置を使っても、住所を登記しなくなるわけではありません。住所が変わったときの変更登記の義務は残りますし、金融機関の融資や不動産の取引で追加の書類が必要になることがあると法務省は案内しています。本で読んだ情報だけで判断せず、法務省のページを確かめてから会社設立の申請に入ってください。
ほかの会社設立の本の比較や選び方は、会社設立 おすすめ 本のカテゴリーにまとめています。
本と一次情報を組み合わせる手順

会社設立の本は、流れをつかむのに向いていて、最初の1冊としておすすめです。一方、金額と様式は一次情報が確かです。両方を組み合わせる手順を、形態別にまとめておきます。

3つ目の登記の様式は、本に載っている書式より、法務局のページの様式のほうが新しいことがあります。本の書式は記入のしかたを学ぶために使い、提出する書類は法務局の様式で作るのがおすすめです。
この手順なら、本が少し古くても困りません。図書館で借りた本や、手元にある前の版の本でも、一次情報で数字と様式を入れ替えれば会社設立の準備は進められます。
途中で分からなくなったら、定款のことは公証役場、登記のことは法務局の窓口で相談できます。税金や社会保険のことは、税務署や年金事務所に確かめてください。
まとめ|形態別に本を選び、数字は一次情報で比較する

株式会社設立の本と合同会社設立の本を、会社形態別に比較してきました。
この記事で押さえたこと
- ✓株式会社と合同会社の違いは、定款認証の有無と登録免許税の最低額。本の構成もそこで変わる。
- ✓株式会社の本は、年度版・設立後まで・手順型・Q&A型の4冊を比較した。
- ✓合同会社の本は5冊。電子化への対応やフォームのダウンロードの有無が書誌から読み取れるものがある。
- ✓形態を迷っているなら、両方を1冊で比べられる本を選ぶ。
- ✓定款認証の手数料・オンライン申請・代表者住所の扱いは、一次情報で補う。
書誌と制度の内容は、2026年10月時点で国立国会図書館サーチ・日本公証人連合会・法務省・中小企業庁のページで確認したものです。本は新しい版が出ることがあり、制度も変わります。手続きの前に最新の表示を確かめてください。
形態が決まっているなら、本は1冊で十分です
株式会社設立なら株式会社の本、合同会社設立なら合同会社の本。形態が決まっていれば、両方を扱う厚い本を買う必要はありません。自分の形態の本を1冊選び、金額は一次情報で確かめる。それで会社設立の準備は進められます。
まだ迷っているなら、両方を比べられる本で違いを確かめてから決めても遅くはありません。費用の差、定款認証の有無、設立後の運営のしかたを見比べてみてください。
本を読んで手続きの量が多いと感じたら、代行サービスや専門家に任せる道もあります。その比較はサイト内の別の記事で扱っています。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
この記事のキーワードに「会社設立 おすすめ 比較」を足して検索したときに実際に出てきたサイトです。掲載の順番は優劣を示すものではありません。内容は各サイトの公開時点のものなので、料金や条件は、リンク先で最新の表示をご確認ください。
- マネーフォワード クラウド会社設立|合同会社・株式会社の設立におすすめの本12選
株式会社と合同会社の設立に使える本を12冊まとめて紹介しています。
biz.moneyforward.com - 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)
本の書名・著者・出版年・版を調べられる国立国会図書館の検索サービスです。
ndlsearch.ndl.go.jp - honto|株式会社の設立と運営が1冊でわかる本
株式会社の設立と運営の本の電子書籍ページです。
honto.jp - ゴールドオンライン|『司法書士が全部教える「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
司法書士が書いた会社の作り方の本の紹介ページです。
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毎年改訂される株式会社の設立と運営の本の書店ページです。
maruzenjunkudo.co.jp - J-Net21|合同会社の設立手続き
中小機構の起業マニュアル。合同会社の設立手続きの流れを説明しています。
j-net21.smrj.go.jp - BUSINESS LAWYERS LIBRARY|一人でできる定款作成から会社設立登記まで 第2版
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businesslawyers.jp - 丸善ジュンク堂書店|まるごとわかる!合同会社設立と運営の教科書
合同会社の設立と運営を扱う本の書店ページです。
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合同会社の設立と運営を扱う電子書籍の紹介ページです。2018年刊。
gihyo.jp - 技術評論社|株式会社の設立と運営が1冊でわかる本
株式会社の設立から変更登記までを扱う本の出版社ページ。目次が見られます。
gihyo.jp - BUSINESS LAWYERS LIBRARY|合同会社設立・登記・運営がまるごとわかる本 第2版
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businesslawyers.jp - 丸善ジュンク堂書店|合同会社の設立・運営ができる本 増補改訂版
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